六甲道から南におり、阪神新在家にほど近いところにある灘区が誇るメガ食堂
「日の出もり家」。
昔なつかしのデパートの大食堂然とした店内風情と怒濤のメニュー群に圧倒
されたクミンも多いと思う。
寿司もあればうどんもある、そしてお好み焼き、そば焼、明石焼といった
鉄板焼きメニュー群。そして中華丼やラーメンまでも。
寿司と鉄板焼と中華丼ですぜ。
一見相反するメニュー群のダイナミックな並列、そして融合。
太陽神戸、三菱東京UFJ、石川島播磨、コニカミノルタ、阪急阪神HD、
ヒデとロザンナ、じゅんとネネ、へドバとダビデ、爆風スランプetc…
最近ではgoogleとyahoo!など世にあふれる合併モノ。
しかし灘区的に合併といえば、やはり「日の出もり家」である。
ご存知の方も多いと思うが、もともとここは「日の出食堂」と「もり家」
という別々の店が合併してできた店である。
「もり家」はもともと六甲道駅の東の高架下、現在TSUTAYAのある
あたりにあったお好み焼き店。
かなりの人気店だったようだが震災で閉店。
震災後、もともと今の場所でやっていたご親戚の「日の出食堂」と
バロムクロス的に合併して再出発したのが「日の出もり家」。
さしづめ「日の出もり家HD(ホールディングス)」ってとこか?
その際、日の出の定食系メニューともり家の鉄板系メニューの統廃合を
行わなかったので、おそらく今のような怒濤のメニュー構成になったかと。
ともかく灘的には「華麗なる一族」を超える合併。
いや「華麗なるメニュー」か。
あ、もちろんカレーもあります。
この店、メニューの豊富さに目を奪われがちだが、もちろんメシも美味い。
そのあたりに関しては世にゴマンといるグルメ系ブロガー(笑)の皆さんに
まかせるとして、やはり「永遠の六甲道」的には店内外の空気感を伝えたい。
今の六甲道で失われつつある空気感。
もう少し南の「ぐいぐい酒場樫本」に通じる居心地の良さ。
なんかこう、だだっ広いのにあったかい感じ。
広いと言ってもファミレスとは全く違う空気。
先代の「もり家」からののれん?
メガ店舗に不釣り合いな小さなのれん。
たまりません。
このイスから普通のイスに移行するのが大人への
第一歩だったかも。
なんだか神戸港っぽい船の絵。新港突堤あたりだろうか?
なんだかキングジョーが現れそうな静けさ。
そして、やっぱり一番ステキなのが大テーブル。
テーブル上にはマヨネーズ、ソース、そして生花に混じって焼酎の瓶などまで。
いい感じのカオス具合。
1つのテーブルを知らない人と共有するってのがいい。
つながってないんだけどつながってる雰囲気。
一人で行っても、みんながいるような一体感。
でも別に隣同士ベタベタするわけではなく、それぞれ勝手に飯を食ってる。
「ちんまりとしたカフェ」あるいは「だたっぴろいだけのファミレス」との違いは
この大テーブルの、つかず離れずの微妙な距離感がもたらすコモンスペース風情ではないかと。
そしてこのテーブルの状態こそが六甲道、いや灘区が目指すべき街の姿かもしれない…
大貝のそば焼で瓶ビールを飲りながら、ふとそんなことを考えてしまいました。