前回に続きまして「開かずの踏切」です。
今回は渋滞中の様子。
おそらく現在のフォレスタ北東角あたりから南側を眺めた画です。
バスだらけ。なかなか壮観です。
当時はまだ六甲道駅南北とも駅前ロータリーがなかったので、乗り降りの際も
道路を占有していたのではないかと思われます。
当時の八幡線は両側にびっしりと店舗や住宅が並んでいました。
軒先で延々自動車に排気ガスを浴びせられるのですから沿道の皆さんは
さぞ大変だったことでしょう。
今は無き「外大前行」のバスも走っていた頃。
17系統でしたっけ?
そう、灘区に市立神戸外国語大学があった頃です。
「ガイダイ」という音の響きに不思議なカッコ良さを感じたものです。
ともかく渋滞です。
渋滞は通常、ネガティブな事象としてとらえられます。
できれば排除したい。
人間として当たり前の欲求であります。
だから国鉄(JR)は高架になり、開かずの踏切は解消されたのでしょう。
でも当時は待てたのですね。今の灘クミンには無理かもしれませんがね。
開かずの踏切がなくなって俄然六甲道周辺は便利になりました。
と同時に六甲道周辺にただよっていた「澱み」もなくなったような気もします。
もちろん地元としては悲願だったと思いますが。
その後ご存知のように六甲道は神戸の東の副都心としてまつり上げられて行きます。
自分の意のままにならないものを「待つ」ことができない人々によって、より「便利」に、
より「都合良く」せっかちにつくられていく街。
「まちづくり」などという麗句に隠された不遜な態度が街をつまらなくしていくような
気がしてなりません。
開かずの踏切渋滞が解消された今、六甲道の少し南の国道43号あたりで
ちょこちょこと小渋滞が起きています。
旧ブリコ跡にできた某スーパーの駐車場へ入る車の渋滞です。
わずらわしくなく、待たずに買い物ができる便利なはずのスーパーで起こっている
皮肉な「待ち」の風景です。
写真:『灘のうつりかわり』(灘区勢振興会)より