ナダ「水道筋にレモンあるの知ってっか」
タマ「失礼だな、レモンぐらい売ってますってば」
ナダ「馬鹿野郎、売ってるんじゃなくて『なって』るんだよ、ほれ」
タマ「わ、ほんとだ」
ナダ「このレモンはかれこれ50年以上水道筋で実をつけてるんだぜ」
タマ「知らなかったっす」
ナダ「夏はこのレモンでつくる“水道筋レモネード”が最高!」
タマ「うまそう!」
ナダ「だと思う」
タマ「飲んだことないのかよ」
ナダ「でもさ、水道筋のレモンだから水道筋の食材にギュッと絞ってみたいね」
タマ「いいっすね」
ナダ「船越の鯨串カツにギュッと」
タマ「合う合う」
ナダ「一燈園の茄子の一本揚げギュッと」
タマ「合う合う」
ナダ「土居のミンチカツにギュッと」
タマ「合う合う」
ナダ「プチのビフカツにギュッと」
タマ「合う合う…でも揚げもんばっかりだな」
ナダ「じゃ、百万両の鰆の焼き物にギュッと」
タマ「いいっすね」
ナダ「居相のウナギにギュッと」
タマ「それは違うでしょ」
ナダ「西村の豚玉にギュッと」
タマ「それも違うと思う」
ナダ「じゃあ、灘温泉の源泉にギュッと」
タマ「絞るな!」
(水道筋骨董通・ヘアーサロンボータニ前にて)