タマ「何このメニュー？捨てますよ」
ナダ「あー、捨てちゃだめ」
タマ「まったくガラクタばっかりじゃないですか。ナダさんも断捨離しないと」
ナダ「断捨離つーと、片割れが灘区出身の漫才コンビか」
タマ「それは銀シャリ。モノへの執着を断ち切っていらないもの捨てることです」
ナダ「お前、今何つった？」
タマ「いらないものを捨てる」
ナダ「馬鹿野郎ゴミじゃねえよ！これは今は無き六甲山回る十国展望台喫茶室の貴重なメニューなんだよ」
タマ「なんでそんな物持ってるかなあ。じゃ、この鉄くずは何」
ナダ「あ、それ日尾町にあったクラブミレーの看板の『ミ』の字」
タマ「がらくたにしか見えない。これは？」
ナダ「臨港線のレールを止めてた釘」
タマ「捨てましょうよ」
ナダ「ちょっと前まで『モッタイナイ』とか言ってたくせに。なんでも捨てりゃいいってもんじゃない」
タマ「そりゃそうだけど」
ナダ「お前みたいなやつが摩耶ケーブルいらないっていうんだよな」
タマ「そんなこと言ってないって」
ナダ「乗らないからって、簡単に捨てていいのかよ」
タマ「いや…摩耶ケーブルは捨てちゃだめです」
ナダ「だろ？何が断捨離だよ。俺の目が黒いうちは、灘区に転がっている石ころ一つ捨てさせないからな」
タマ「開き直った」
ナダ「そう考えると、大そうじで捨てられているゴミまで愛おしくなる」
タマ「人生捨ててるような気がする」
ナダ「いつかは灘区民ホールを灘区民のゴミでいっぱいにするのが夢」
タマ「確実に灘クミンから捨てられるな」

タマ「CanonのCM効果で、摩耶山有名になりましたね！」
ナダ「でもさ、手放しに喜べないんだよな」
タマ「ひょっとして…過剰演出」
ナダ「あのCM見てから実物見てガッカリってことにならないかと」
タマ「日本三大ガッカリ名所とかになるとまずいっすよね」
ナダ「こうなったらキャノンに責任とってもらうしかないな」
タマ「どうやって？」
ナダ「摩耶きらきら小径にストロボを仕込んでもらおう」
タマ「それじゃ摩耶ピカピカ小径だよ」
ナダ「展望デッキにはキャノン製双眼鏡を設置」
タマ「有料にすれば、経営難の摩耶ケーブルの運営資金にもあてられますね」
ナダ「馬鹿だね、摩耶ケーブルはキャノンに買い取ってもらうんだよ」
タマ「大きく出たな」
ナダ「キャノンビューライン」
タマ「なんかかっこいいな」
ナダ「車内の天井にプロジェクターで星を映す」
タマ「なるほど、キャノンらしい演出」
ナダ「なぜか窓からの景色のピントが甘い」
タマ「カメラ女子の写真かよ」
ナダ「車掌さんが宮崎美子」
タマ「それ、ミノルタじゃねえか。しかも古い」
ナダ「そいういえばCanonが作ったカメラの試作機は『観音』だったな」
タマ「もしかして…」
ナダ「天上寺のご本尊の観音様を『十一面Canon菩薩』と呼ぼう」
タマ「本尊までネーミンライツするな！」