タマ「見えましたか」
ナダ「何が」
タマ「何がって皆既日食ですよ」
ナダ「ああ、太陽が欠けるヤツな」
タマ「太陽が欠けるヤツって、世紀の天体ショーじゃないっすか！」
ナダ「ったくなんだよ、マスコミに踊らされちゃって。オレも小学生の時、部分日食見たけどさ」
タマ「ガラスに『すす』をつけて見たんでしょ」
ナダ「そう、近所の割って良さそうなトイレのガラスを割パチして怒られたよな」
タマ「割って良さそうなトイレのガラスなんてねーよ！」
ナダ「あとビール瓶が見やすいからって、酒屋のビール瓶割りまくり」
タマ「なんでそっちばっかの思い出なのよ」
ナダ「でも、騒いだわりにはしょぼかった」
タマ「確かに『世紀の天体ショー』ってそういうとこあるなぁ」
ナダ「やっぱ灘クミンにとっての天体ショーは皆既日食じゃなくて8月8日だよ」
タマ「摩耶山の四万六千日大祭！」
ナダ「だって摩耶山の上に天上の全ての星が集まるんだぜ、日食どころじゃねえよ」
タマ「ま、そりゃそうですけど」
ナダ「しかも集まった星が摩耶山に降り注ぐんだぜ！」
タマ「って、言われてますけど」
ナダ「で、その星を掬（すく）うから掬星台なんだぜ」
タマ「いや、だからそれは伝説でしょ？」
ナダ「このニセクミンが！」
タマ「何、吠えてるんですか」
ナダ「四万六千日は真のクミンにしか見えない天体ショーなんだよ」
タマ「そんなもんなんですかね」
ナダ「オレなんか星見えすぎちゃってフラフラだよ」
タマ「おそらくそれは飲み過ぎかと」
ナダ「とにかく前日の8月7日はUFO呼ぶイベントもあるしさ」
タマ「今年こそはUFO見られるかな」
ナダ「遠くに日食見に行くのもいいけど、摩耶山の上でのんびり星見るのもいいもんだぜ」
タマ「世紀の天体ショーより、灘の天体ショーですよね」
ナダ「タマに星3っつ！」