市場の場内食堂。
いい響きです。
「イチバのジョーナイショクドー」
カタカナにしても字面がいいし音もいい。
バ、ジ、ド。
なんてったって濁音が3つもあるのがいいですね。
「オカモトのカフェ」
濁音ないですね。
なんだか締まりが悪い。
街には濁音がないと面白くない。澱みと濁りが。
んで、そのジョーナイショクドーなんですが、なんとなく食材が
良さそうで、プロが集まってそうで、でもトーシロは入れないような
微妙な空気感があって、おまけになんだかわかんないけど丼や皿から
海老の尻尾なんかがはみ出てて、「メンコロドミソダクダク汁なし小」
なんてわけのわかんない符丁が飛び交ってて、時には味噌汁がカウンター
に飛び散ってて、それを客が拭かなければならなかったりして、そんな
ことしながらちんたら食ってたら後ろからつつかれそうで、
それでいて旨い。そんな飯処がいわゆるジョーナイショクドー。
でも最近はその雰囲気まるごとパッケージ商品化されて観光コース
に入れられたり、情報誌でカタログ化されたりしちゃって、
「このメンコロドミソダクダク汁なし小、パネェウマ!」
なんていうおバカが増えたりするもんだからなんだかつまんなかったりする
ジョーナイショクドー。
もう少しユルくて、まったりできるジョーナイショクドーはないものか?
そんな悩みを抱えている人も多いかと存じます。
そんな貴兄には水道筋の市場の「場内食堂」を是非ご利用いただきたい。
ええ、観光コースにも入ってませんし、情報誌にもほとんど載りませんから。
もちろん水道筋の市場は「卸売市場」ではないので、そこにある食堂も
いわゆる「場内食堂」とは呼べないかもしれませんが、
「素材と澱みと濁り」は確かです。
灘中央市場にあるお好み焼き「なかむら」
市場のフツーのお好み屋であります。
もちろん食材は灘中央市場調達。
「キャベツ一つでもその辺のスーパーとは違うからねえ」
とご主人。
ま、こういう店はある意味市場の試食コーナーでもあります。
ここで食べる豚肉やイカやキャベツが旨かったら、
市場で買って帰ろうかなとなるわけで。
で、もちろんそんな市場素材100%のフワフワ「豚玉」がうまいのは当たり前な
わけですが、このお好み焼き店が場内食堂らしいのは、焼けるまでの間に刺身を
つまんでるお客さんがいること。
「もうちょっとしたらサワラの刺身旨いで」
なんていう感じで市場の「昼網」があったりすること。
「なんやかんや言うても魚と肉はやっぱり市場がうまいで、
ワシお好み焼き嫌いやねん、ガハハ!」
コテコテ感を創出しつつ、実は瓶ビールが「ハートランド」だったりする外し方。
あーいいなーユルくて。もちろん味はユルくない。
変な符丁も飛び交わないし、
味噌汁も拭かなくていい。
そんな灘のジョーナイショクドー、是非一度お試しあれ。