旧原田村の、原田通である。
原田の「原」には、開墾された土地という意味があるという。
さて。まずは王子神社である。
王子神社はかつて、「原田神社」と呼ばれていたという。
入り口の標石側面には大々的に「元原田神社」と彫り込まれているし、
高林神社という神社と合祀されたという話などもあり、なにやら複雑な歴史を匂わせる。
最近、パンダのコウコウが急逝したという悲しいニュースが流れた王子動物園は、
道路を挟んで原田通の山側にある。
この王子動物園の「王子」は、もちろんこの「王子神社」に由来する。
由来する、というよりも、動物園の敷地が王子神社の鎮守の森みたいな「原田の森」だったわけで、
キリスト教系の関西学院大学だって、元は「原田の森」にひょっこり生まれた大学だし、
京都の下賀茂神社にある「糺の森」と同じぐらい、霊験あらたかな原田の森なのだ。
最近では「○○王子」全盛の時代だそうで、ハンカチだのハニカミだの腕立てだのポッチャリだの、
何でもかんでも王子王子だが、このあたりじゃ700年ぐらい前から王子権現が祀られているのだ。
あれやこれやの歴史の話は置いといて、
とりあえず、この稲荷社の床下に佇む狐像の存在感はどうだろう。
王子動物園に暮らすマヌルネコを彷彿とさせる佇まいである。
(体型はずいぶん違うけど。。。)
原田通は、灘区屈指の観光地である王子動物園の門前町・・・ではない。
動物園なんて知らん、というほどの存在感がある場所を、駆け足で紹介したい。
王子街園のフェニックス
景山医院。
銃砲・火薬。
そして「原田の森ギャラリー」(前兵庫県立近代美術館)。
1970年竣工というが、40年の歳月を感じさせない。村野藤吾の作品。
原田通は、木々の緑、白い壁、青い空のコントラストがやけに印象的な町だった。
次回は稗原町。