畑原村の名の由来は、字義通り、畑の原であったと思う。
梅雨のど真ん中ではあるものの、昨日降った土砂降りの雨が、傾斜のある溝の底をちょろちょろと流れる。
水が残らない扇状地に水田を作るのは困難なことだ。
畑原のだんじり倉庫がある平五郎稲荷大明神あたりから、畑原通が始まる。
阪急より南にある畑原市場とは離れているが、このあたり一体が畑原村であった。
天神さんの鳥居から路地を西へ抜ける。
縦筋を横切って、また路地へ。
「畑原の小径」とでも名付けたくなる、路地ワンダーランド。
空観堂は摩耶小学校の西隣にある。
空観上人を祀るお堂には、文字が書かれた大小さまざまな石が敷き詰められている。
祈祷によって人々を病から救ったという空観上人。
念ずれば通ず。願いは叶う。
石に願いを込める人々の思いを、空観上人は今も静かに受け止めている。