行事や仕事に追われて、ふと気がつけば、だいぶ深いところまで秋が来ていた。
日頃の運動不足のせいもあって、坂の多いエリアにはなかなか足が向かないのだけれども、
ここはひとつ、小さい秋でも見つけようかと、気張って寺口町に向かった。
寺口町は、巨大な陸橋ができて久しい高羽の交差点から始まる。
新幹線のボディの曲線を思わせる陸橋の足下には、「右一王山」の小さな道しるべがこっそりと佇む。
寺口町の坂道を上がったり下がったりしながら、
この町を表す言葉を考え見たけれど、どうにも思いつかない。
細い坂道を上ったあたりに新築の建物が建ち並んでいたり、
古い文化住宅が斜面にへばりついていたり、突然空き地が広がっていたりして、
独特な雰囲気を持った場所だと思うのだけれど、、
細くランダムな階段のせいで、フゥフゥと息があがるばかりで、
そのうち周りを見るのもしんどくなってきた。
とにかく寺口町には、味のある坂道や階段がたくさんあるということだけは間違いないのだけれど、
ヨソ者を受けつけない、山城のような雰囲気に包まれているような気がしてならない。
次回は徳井町の予定。