灘区の西半分は、地層のように細長い「通」が重なり合う。
上から高尾通、五毛通、薬師通、国玉通、上野通。そして赤坂通。
「通」って言うくらいだから、どこかにそんな名前の道があるのだろうか。
赤坂通は2本の道に挟まれている。北側の道が赤坂通りなのか、南側が赤坂通なのか。
それとも北と南の真ん中に、見えない「通」が貫いているのだろうか・・・。
謎は深まるばかりだが、さっそく1丁目から西に向かって歩き始めよう。
それにしても、赤坂通は壁がいい。
蔦に覆われた壁の上には、柿や夏みかんがたわわに実っている。レンガの壁も味わい深い。
タバコの自販機で壁を作るもよし。赤いコーンに猫が集まるもよし。嗚呼、赤坂通り。(?)
見慣れた花崗岩の石垣。整然とお城のように積み上げられたものもいいが、何度も補修してツギハギだらけの石垣も味がある。
セメントで塗り固めた石垣から、ど根性で顔を出す石の姿も、どこかいじらしいように思えてならない。
いよいよ赤坂通の旅も8丁目にたどりついた。白い物置の中にお地蔵さんが入っているのかと思ったけれど、よく見たらすぐ隣に祠があった。。。
新しく建て替えている家も多い赤坂通。何気ない住宅街だからこそ、味のある石垣や壁は大事にしたいなぁと、夕暮れに染まる秋空の下で旅人はつぶやいた。
次回は「赤松町」の予定です。