大人と子ども、健康と不健康、昼と夜。
王子町は、両極端というか、アンビバレントな顔を持つ町だ。
王子町1丁目、阪急王子公園駅あたり。
駅前と言うよりも、「ガード下」と呼ぶにふさわしいオトナなお店が並ぶ。
だが昼間は高校生の通学駅の顔。休日は動物園客で賑わう。
子どもたちを吸い寄せる、魔法の傾斜も健在。
王子町の魅力は、駅前のコントラストだけではない。
飲みすぎ食べすぎのメタボリックな心配は、王子町2丁目の公園内で解消しよう。
登山研修所で精神力を養うもよし、土俵で勝負を学ぶのもいいかもしれない。
現在は駐車場としても利用されているサブグランドは、国際色豊かな利用者が集うランニングコースになっている。
ストップウォッチでタイムを計るよりも、夕暮れ時の灘の空に響く多彩な外国語に耳を傾ければ、世界は狭く灘は広いと実感できるかもしれない。
サブグランドの東にある階段を下って、春本番を迎えた西郷川(青谷川)沿いを下る。
途中、原田児童館の前で子どもたちが群がって騒いでいるのを見かけた。
子どもたちの輪の真ん中には、頭に白いターバンを巻いた南アジア系の男性。
「サンタクロースや〜!サンタクロース!」と叫びながら、ターバンの男性の白くて長い髭に触って大喜び。男性もニコニコと楽しそうに髭を触らせていた。
王子町は、異質な何かと何かをつなぐ場所なのかもしれない。
そう、原田地下道や阪急のアーチ橋のように。
次回は大石北町の予定。