「滝ノ奥」というぐらいだから、はじめはどれほど山奥なのかと思った。
かつては高羽村の入会地だったのだろう。
十善寺よりもさらに奥まった場所なのだから、表現としては間違ってはいない。
神戸大の国際文化学部脇にあるテニスコートの横を通り抜けたあたりを東に向かって橋を渡れば「高羽字滝ノ奥」なのだ。
「ごこう橋」という橋を渡ったところに、「六甲高羽アーバンライフ」というマンションだけがある。
周りを見渡せばマンションや建売住宅の開発ラッシュのようで、ゴリゴリと削られたベージュ色の岩肌が生々しい。
橋の下だけは、滝ノ奥の名にふさわしい濃い緑が覆い尽くしている。
木々に覆われた谷底に、ちょっと大き目の堰堤がある。
かつては、それが滝ノ奥の「滝」だったのかもしれない。
次回は「高羽町」。