大石川/都賀川は阪急と交差するあたりで六甲川と杣谷川に分かれ、
六甲川をグイグイと遡って大土神社の上。
六甲ケーブル下駅の方に行く支流と、
六甲トンネルの川へ上がる本流への分かれる場所。
この場所が水車新田にあたる。
谷を吹き下ろしてきた風が冷たい。
水車新田とは言うものの、水車の面影はなく、
コンクリート製の堰堤を落ちる水音だけが響く。
江戸時代、最盛期には25基の水車が稼働していたというが、
どう頭を捻ってみても、そんな光景は想像できない。
その後、菜種絞りから精米へと転換し、灘の清酒業を支え、
明治大正と時代を経て、阪神大水害を契機に水車小屋は完全に消滅したという。
水車が稼働していた頃、鶴甲の団地や住宅街はなかったはずだから、
地形的には今とは全然違っていたのだろう。
灘にも活きのいい水車があれば、きっと楽しいに違いない。