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2006年12月30日(土曜日)

第8話「岩屋北町」鉄道編

カテゴリー: - aiai @ 07時59分57秒

いよいよ改修工事が始まった灘駅の駅舎は、岩屋北町にある。

大正6年に開業した灘駅。昭和の初め頃に建設されたとされる駅舎。

何度も塗り直しながら、少しずつ歳を重ねてきた白いシンプルな外壁。

味わうべきは半円形の天窓だけではない。

外観をよく見ると、屋根に近い部分の壁が外側にぐいっと反っていることに気づく。

今の建物じゃ、絶対そんな手のかかることはしないだろう。

だからこそ、単なる四角い箱ではない優しい雰囲気になるのかもしれない。

駅舎建て替え計画発表後、灘駅を惜しみ、愛しんだ数多の取り組みがあった。

そんな活動の積み重ねを通じて、
この小さく白い箱に多くの潜在的なファンがいたことに気づかされた。

JR灘駅の外壁。

灘駅の跨線橋。

駅。そして線路。

子どもの頃、目の前の線路が日本中のどこまでもつながっていることに気が付いて、
なぜか誇らしい気持ちになったことがあった。

轟音と共に目の前を横切る貨物列車の風圧に怯えながらも、
必死に車両の数を数えたことも懐かしい思い出だ。

日常の暮らしに馴染む一方で、駅は出会いや別れの舞台にもなる。

灘駅には、クミンのたくさんの暮らしや人生を見守るやさしい表情があったのだろう。

新しい駅、新しい町はどんな表情で私たちを見守ってくれるのだろうか。

数年前に廃止された臨港線の再開発も進みつつある。

以前踏切があった場所は信号機になり、線路のあった敷地には
マンションの建設が進められている。

鉄道をはじめとして、モノや人が移動することの意味が変わりつつある現在。

そんな時代の風を受けながら、臨港線も灘駅も、この町も少しずつ変わっていくのだろう。

まだ線路が残る臨港線。

既に線路が取り払われて、向こうにはマンションが建てられようとしている。


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  1. まもなくお別れ 昭和初期建築のJR灘駅舎
    旧阪急梅田駅コンコースに続いて、また歴史ある駅舎が姿を消します。 JR東海道本線(JR神戸線)灘駅の昭和初期建築の駅舎が橋上駅舎化に伴い、今月にも取り壊し工事が始まることになっています。その灘駅へ行ってきました。 ホームに降りて、まず注目したいの…

    Trackback by レールブログ — 2007年2月23日(金曜日) @ 20時51分40秒

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