「こども喫茶」と「駄」の垂れ幕。
どんなお店なのか何となく想像できるのだが、
でもホンマに?というネーミングと佇まいだ。
あれって何ですか?という問いを多方面から受け、
答えられない心苦しさを解消するため
白昼堂々乗り込んできた。
区民ホールの南西向かいにあるお店は
モダンな住宅の一階部分。
木の戸を開くと中は白が基調の明るい空間が広がっていた。
正面には駄菓子が少し控えめに、整然と陳列され、
右手には木のベンチとカウンター、
左手にはダーツなどのおもちゃが並べられている。
カウンター正面のメニュー表には100円前後の商品が
かわいい書体で描かれている。
まさに垂れ幕の通り、駄菓子屋な子ども向けの喫茶店だ。
ホンマにホンマやった。
あっぱれ。
駄菓子屋と呼ぶにはその雑多な感じや古びた雰囲気は無く、
喫茶店と呼ぶにはゆっくり腰をかけてくつろげる様子ではない。
子どもたちがこだわり無く、自分たちの時間を使う場所ということに
特化したお店なのだと感じた。
切り盛りされているのは若いご夫婦。
クミン歴10年くらいで、以前は古着屋をされていたとのこと。
開店間もないお店だが、すでに放課後の時間は子どもであふれているのだそうだ。
DSを持ち寄った男の子たちが頭を突き合わせている横では
女の子たちがジュース片手にうわさ話。
「今、子ども喫茶ー。今から帰るー」と、あたかも友達ん家のように
電話を借りていくのだそうだ。
その様子、目に浮かぶ。
話を聞くだけでは申し訳ないので、たこせん・たまごを注文。
しばらくして出てきたのはかわいい四つ葉のお皿に乗ったたこせんだった。
ちょっと喫茶店クオリティな駄菓子に子どもの心も小躍りするだろう。
噛むと半熟玉子がトロリと溶け出す絶妙な火加減。
心まで温かくなる一品だった。
お値段80円と、もちろん子どもサイズ。
こういう贅沢ならさせてやってもいいじゃない、と思うのだった。
ベビーカーを右手、ちびっ子を左手に握ったお母さんが入ってきた。
「今日は2個までね。」
店内をぐるっと回り、会計までベビーカーとともに行動できる。
こんな配慮も新世代的。
このお店がどのように地域に溶け込んでいくのか、この先が楽しみになった。
◆こども喫茶
【Open】 11:00(仕入れの日は遅くなることも有り) 【Close】 19:00
【定休】 月曜(祝日の場合、翌日)