「一年生、二年生のみんな、組み体操の隊形に、集まれっ!」
「やぁぁ〜」
運動会の代休、疲れも知らず子どもたちは朝から元気だ。
女の子たちと組み体操ごっこをすることになった。
子どもたちは見たもの聞いたもの何でもごっこにして遊ぶ。
「ほら、あの塔のヤツやろー。上に立つねん。」
「えぇぇ、こんなん立たれへん。」
保育園で組み体操をやった子も多いだろう。
見よう見まねで出来るだろうという過信は
脆くも崩れ去る。
他のワザもなかなかピシッと極まらない。
半ば飽きてきたところへ先日の主役たちが登場した。
仲良し五年生軍団だ。
次々に極まってゆくワザの数々。
ワザの成功率はもとより、指先まで伸びた美しいライン、
息の合ったコンビネーション演技、
下級生たちは真一文字に並び、ただただ見入るのであった。
「全員でピラミッドしよ」
私らも入ってええの?っていう嬉しさが顔からにじみ出る。
五年生たちは率先して土台になり、一年生を頂点に据える。
多段ピラミッドの頂点は思いの外難しくて結局乗り切れなかったが、
サボテンの発展型「スター」や「ロケット発射」といった
あこがれの大技をみんなで体験。
伝統というバトンは着実に受け継がれているのだった。