「あった!ここ、ほら〜はよ見てよぉ。」
「あっちに私のあんねん。写真撮って!」
みんな一斉に言うので、体がいくつあっても足りない。
畑原市場に飾られた子どもたちの絵は
視野の上端を賑やかしている。
飾られている絵は以前ココで紹介したもの。
学童の子どもたちも何人か応募し、
それらすべてが市場のどこかに飾られている。
西から市場に入った学童っ子たちは、
まもなくして自分たちの絵に出くわした。
騒がしい声を聞いて、お店の人は店先に並んでくれている。
さながら卒業式の花道だ。
「どないしたんや。ほう、バッジもろたんか。見してや。」
まさか構われると思っていなかった子どもたちはドギマギ。
学童っ子たちの絵は、きねまさ本舗の周りでたくさん見つかった。
これも何かのご縁とこの店で和菓子を買うことにした。
「君ら学校はどこや?」
「美野丘ー!」「摩耶ー!」「福住とか上筒井もおんねんでー!」
買ったお菓子をおばちゃんが包んでくれている間
おっちゃんとの軽快な世間話が続く。
続く、続く…とっくに包み終えたおばちゃんの視線が泳ぐ。
「すんません、そろそろ時間が迫ってるんで…」
と僕が切り出さなきゃ終わる気配が無かった。
時間があまり取れなくて申し訳なかったのだが、
ねちっこいまでに構っていただき、とても嬉しい気持ちだった。
それは僕よりも子どもたち自身が一番感じているだろう。
ゆったり流れる時間、ただお金と物を交換するだけでは無いやりとり。
こんな懐の深さが市場の魅力。
市場が持っている包容力を活かすためのきっかけ、
それが今回は絵だったんだな。
あったかほっこりを子どもたちに知らしめるきっかけ、
今後も続いてほしいものだ。
※ 絵の展示は5月7日まで。