凪ぎの水面を奔るモーターボートのように見えた。
ゆるゆるを楽しむにはまだ若すぎる行商たち。
歓声とともに駆けずり巡って平和なマーケットを掻き回す。
そんな傍若無人ぶりすら包み込んでくれる場だと信じている。
9人の子どもを連れてリュックサックマーケットに参加した。
第一回から参加して、これで出店4回目の常連。
去年の3月は霜が降りるほど寒い日だった。
今年は霜は降りないまでも寒風吹きすさぶ厳しい天候。
リュックサックマーケットに悪天候はつきもの、
子どもたちはそんなこと気にするそぶりもない。
「お金使いすぎてもうお小遣い無くなってもたー。」
普段なら「そりゃしゃーないな」の一言で片付ける場面。
しかし、ここはリュックサックマーケット。
「これ売ってきたら売り値の半分バイト代であげるわ。」
渡したホッカイロは瞬く間にバイト代に変わっていた。
さすがにびっくりした。
普段から甘え上手で人なつっこい子。
今時流行らない飛び込み営業を難なくこなしまくっている。
どうやら「かわいい」と皆さんが受け入れてくださったようだ。
たくさんの暖かさに感謝。
調子づいてしまい、僕の売り物はどんどん消化されていく。
気づいたらとっておきのTAKEO KIKUCHIのマフラーまで
二束三文で売りさばかれてしまっていた。
まぁ、貴重な体験の代償だ。仕方ない。
こんな楽しいことは他にはなかなか見つからない。
きっとこれからも参加し続けることになるだろう。
[ナダタマ事務局注]
次回のリュックサックマーケットは4/21(土)開催です。