惣菜を求めて入り込んだ灘中央市場。
沢庵の樽をしげしげ眺める女の子。
「美味しそうやなぁ。」
おぬしなかなか見る眼があるな。
お昼ごはんは1人合計400円まで。
まさか沢庵だけに400円は使えない。
切り売り、値切りなんて交渉は
彼女の選択肢には無い様子だ。
他の子も寄ってきた。
「あれ、めっちゃウマそうやんなぁ?」
「ウチもめっちゃ好きやねん」
スイーツを語るように沢庵を語るイマドキの灘っ子。
「ちょっと待っとり」と奥に入るお店のおばちゃん。
戻ってきた手には薄切りの沢庵。
みんなで一切れずついただく。
子どもたちはみんな素直に美味い!の反応。
「お母さんとまた買いに来てな〜」
余った沢庵を袋に詰めて渡してくれた。
思わぬ展開に子どもたちは目を白黒。
遠慮がちに受け取り、ペコッと会釈。
市場を抜けたところで糸が切れたかのように
喜び溢れて大騒ぎ。
これが市場クオリティ。
人と人とが交わるひととき。