連休最終日にマニアックな話で恐縮であるがお付き合いの程宜しくお願いします。
正門ゲートを潜ってスグ左手にフラミンゴたちの棲家がある。
むか〜し、流行歌で王貞治の事を「フラミンゴみたい」と比喩した淡路島出身の
作詞家が居るが、ここの場合は「数の暴力」的密集でみる者を圧倒している。一体
夜になったらどうやって休んでいるのだろうか、と心配になるほどだ。
そこを過ぎると、割合古い木が茂っている一画に出る。そこに動物園には似つか
わしくない建物が建っている。今は休憩所になっていて、冬場はお弁当を食べる
家族連れで賑わっているのだが、全体に社寺系なビジュアルなのだ。
休憩所はええけどなんでこんなシルエットやねん、と疑問を持つ向きもあろう。
実は、この建物は知られざる「原田の森」の生き証人なのだ。
動物園と原田線で隔たれた南側に王子(原田)神社がまつられている。
この原田線ができる以前、今の境内から、この園内の「社寺系」休憩所あたり
までが王子神社の境内だった。この休憩所は神社の社務所だったが、昭和
25年の日本貿易産業博覧会「神戸博」の時に、会場内の施設に転用されて
今に至っているという。
詳しい創建時期は不明だが、意外と空襲を逃れた戦前生まれの可能性が高い。
そうした歴史を頭に入れて、今度この休憩所を使われるのもまた一興かもしれない。
dr-frankyプロフィール
北隣クミン。高校時代から近代建築を求め灘区を探訪。一時その水道筋出没率は灘クミンを凌駕。阪神間の近代建築を語らせたら止まらない「近チャン」。下記担当ナダログでも独自の世界観で独走中。まもなく「華麗ナダ一族(仮)」連載予定。
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灘建築夜話