ナダタマサポートアニマルを選ぶにあたって、もう少し
灘アイドルアニマルの系譜について考察してみよう。
王子動物園はサル系アイドルを多く輩出してきた。
チンパンジーのジョニーとハッピーの間に生まれた1匹のサル。
悲しいことに母ハッピーは出産後この世を去った。
残されたベイビーモンキーは人口哺育され、やがて王子動物園の
アイドルへ。
彼こそが「神ちゃん」。
正面ゲート近くには「神ちゃんハウス」が設置され、
育ての父、亀井さんとともに入園者の人気を一身に集めた。
ローランドゴリラのザーク。
その巨漢ぶりは、正に横綱の風格。
1975年6月8日、計量が行われ電光掲示板に現れた数値は「285kg」
ついに「世界一重いゴリラ」として認定された。
灘区では6月8日は「ザーク計量記念日」とされ、その伝説は灘クミンの
語り草だ。
また、その時使われた体重計は今も大事に保管されているという。
忘れてはならないのはキンシコウ。もう灘にはいないが、もしいたならば、
きっとナダタマサポートアニマルにノミネートされていたはずだ。
最初の来神は1985年のグリーンエキスポまでさかのぼる。
これをきっかけに、1992年から王子動物園で「キンシコウ日中共同飼育繁殖研究」
が始まった。そして一躍王子動物園の人気者になった。
彼らは中国の動物ではなく、実はチベットの標高3000mの地に生息する山岳動物。
チベットといえば山岳仏教の聖地。
我が灘区の霊峰摩耶山との関連も深い。
その山麓、王子動物園での飼育はまさに適地ということになる。
そしてそのルックス。
別名ゴールデンモンキーとも呼ばれるその美しい体毛はアイドルに相応しい。
一説では孫悟空のモデルとされているが、むしろ同じく80年代半ばに
ブルーアイドソウルのアイドルグループとして人気を博した「ブロウモンキーズ」のナルシストボーカル、Dr.Robertが思い浮かんでしまう。キンシコウ来神に前後して80年代、阪急六甲近辺に乱立した女子大生狙いのカフェバーでヘビープレイされていた「Digging Your Scene」のオシャレ感と王子動物園のキンシコウのイメージがなぜかダブってしまうのだ。
「キンシコウ」と「ブロウモンキーズ」。
バブルの頃、風に吹かれて灘にやってきた猿たちは、もう灘にはいない。
●ベスト・オブ・ブロウ・モンキーズ ~コンプリート・シングルズ
80年代の六甲坂道を駆け抜けた猿たち。
OLD/NEW六甲、ウェザーリポートなど「第一次灘カフェ時代」を彩るオト。
「It Doesn't Be This Way」「Digging Your Scene」は、
高い天井のシーリングファンとともに、今でも僕らの脳裏で回り続ける。