ZOOマニアな皆さんならもうすでにお持ちのことだと思いますが
王子動物園にはパスポートがあります。
3000円を払えば1年間動物園入りホーダイ。
(ちなみに東京ディズニーランドの年間パスは45000円)
これさえあれば毎日の散歩コースに王子動物園を組み込むという
ぜいたくもできるわけです。
もちろん小学生のころは、王子動物園は入りホーダイだったわけで
(小人入場無料)放課後ちょっとヒマだったりしたとき、
「動物園行かない?」
ってことになって、動物園を「公園使い」するわけです。
それは灘クミン、いや灘っ子のアドバンテージであり、ちょっとした
自慢だったりしたものです。
ただし、タダだからといってゲートを素通りしようとすると
「アンタら待ちなさい!!」
と係員に呼び止められるわけです。
「タダやからゆうて黙って入ったらアカンやろ?なんて言うんや?」
なんて言うんや?言われても子どもらは困るわけです。
こんにちは、やないなあ…
すいません、も違うなあ…
ありがとう、は浜村淳やなあ…
ごめんやす、は馬場章夫やなあ…
おいーっす、はいかりや長介やなあ…
なけなしの知識を総動員して、入場を許していただける言葉を考える
ワケです。
「なんて言うんやっ?!」
動物園の職員さんも容赦しません。
で、結局僕らの答えは
「お、お願いしますっ!」
だったわけです。
「ハイ、どうぞ!4時半までには帰らなアカンよ」
そんな感じで僕たちは「灘での世渡り」を身につけていくワケです。
こんなことは学校で教えてくれるわけはなく、
これこそ社会勉強、いや「街中勉強」なのです。
今、私はパスポートを持っています。
大手を振って入場することができるわけです。
金でツラ張って「オトナ入場」できるワケです。
でも、今でもゲートで「お願いします」って言ってしまうのは、
そんな「灘的社会勉強」のたまものかもしれません。