福神漬が嫌いな人は多い。
カレーに添えられているアレ。
「甘酸っぱさが気に入らん」
「この赤さがあざとくてヤだ」
人それぞれの理由があるだろう。
そして福神漬が嫌いな人は紅生姜も嫌いだという場合も多い。
「じゃ、ラッキョでいいじゃん」
いや、カレーにラッキョもいいですよ。
でもやはり色が欲しいんですよ。
あの「赤」が欲しい。
牛丼にラッキョがのってたら、吉野家の成長はなかったはず。
やはり、牛丼には紅生姜。
あの「赤」が欲しい。
王子動物園の「赤」と言えばやはりフラミンゴ。
ゲートを入ってすぐ左、まず我々を出迎えてくれるトップバッター
アニマル、プリンスZOOの看板プリンセスだ。
王子動物園には数々の日本一があるが、このフラミンゴは繁殖数が
日本一。総繁殖数は460羽を超えた。
フラミンゴとはラテン語で炎を表すフランマが語源だといわれている。
実際のこのフラミンゴの赤はオキアミやサクラエビ等のえさに含まれる
カンタキサンチンという色素によるものだそうだ。
「フラミンゴは血で子を育てる」といわれるが、この母乳のような液体、
いわゆるフラミンゴミルクも赤いのだ。
鮮やかな朱が、白い羽毛と溶け合った淡いピンク色は、
春に咲き誇る園内のソメイヨシノに負けないあでやかさ。
そう、この色があるからこそ白黒のパンダが引き立つことを忘れてはならない。
この華奢さがあるからこそ、象のマックの大きさを実感することができる
ことを忘れてはならない。
やはり彼らは王子動物園の福神漬的存在なのだ。
そしてGW前後、この赤が一段と鮮やかになるとフラミンゴ池はベビー
ラッシュを迎える。
園内でも評判のおしどり夫婦、いやフラミンゴ夫婦が交代で卵を暖めて
いる姿がみられる。
やがてグレーの小さなこの街のプリティフラミンゴ誕生のニュースが、
今年も灘の春の風物詩になるはずである。
3月21日(水・祝)〜10月30日(火)
特別展「フラミンゴ特集」〜繁殖日本一の舞台裏〜
動物科学資料館特別展示室にて開催