「今年の夜桜の通り抜けはいつごろやろ?」
そんな会話がちらほら聞こえてくる頃、動物園も春を迎える。
すっかり灘トリビアでもなんでもなくなったが、王子動物園には
神戸海洋気象台の桜の標準木(植物季節観測用標本)がある。
ゲートを入ってちょうど正面の木。
つまりこの桜の木で、神戸の桜が何分咲きかを判断する。
桜の開花に関しては灘が神戸のスタンダードだ。
そして間もなく王子動物園には桜が咲きほこる。
1998年に復活した王子動物園名物「夜桜通り抜け」だが、
長らく中止されていた理由をご存知だろうか。
かつては通り抜けではなく「夜間開園」であったので、
案の定園内で宴会が始まる。
酒と桜は人の心を狂わせる。
被害者は動物達だった。
やがて酔客は動物に酒を飲ませたり、タバコを吸わせたり
傍若無人に振る舞う。
カバの出目男はビニール袋を食べさせられ死んだ。
「キリンは食欲をなくし、下痢が止まらないチンパンジーや
カンガルー、照明と騒音により産卵期に入ったコウノトリなどの
鳥たちが巣作りや産卵を中止した」(王子動物園50周年史より抜粋)
そして王子動物園の春の夜間開園は中止になった。
そんな動物たちがひっそり眠るお墓(慰霊碑)がゲート西の
無料休憩所の北にひっそりとある。
桜を楽しんだ際は、是非手を合わせていただきたい。
そして桜の通り抜けは、一杯ひっかけてワイワイ騒ぐのではなく
しっとりと楽しんでいただきたい。
夜は動物たちがストレスから解放される唯一の時間なのだから。
王子動物園の夜桜を楽しむ心あるクミンの皆様へ、
ナダタマからのお願いです。
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ナダタマ - ZOOマニア : 動物園の桜悲話 by naddist
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