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…いや、走ろうとしたんです。
そしたら、またまたショッキングなニュースが飛び込んで来たのです。
え・・・・・・
オスだったはずの初代コウコウが双子を生んで、
その元彼女のタンタンが死産って。
いや、とにかく、とにかく動物園へ走るしかない。
夏休みだというのにパンダ舎は人影もまばら。
小さな命が失われた悲しみに、まるで園内全体が喪に服しているようです。
まずは、悲嘆に暮れているだろうタンタンのお見舞いに。
笹の中にうずくまり天を仰ぎ、何かを抱いているような姿。
実はこれ、想像哺育している姿だそうです。
想像妊娠などが多いパンダは出産も想像してしまうそうです。
たとえば、餌のニンジンをしっかりと抱いて寝たりするのです。
つまり、生きて生まれなかった我が子を抱いて育てている
つもりになっているそうです。
タンタン・・・
私は目頭が熱くなりました。
とにかくゆっくり休みなさい。ね。
来週の地蔵盆ラリーはキミの代わりにお参りしてあげるから。
で、初代コウコウです。
タンタン死産の一件で、パンダの飼育員の方には聞けそうな雰囲気ではなかったので
たまたまパンダ舎の近くにいたリクガメの飼育員の方に聞くことに。
「あの〜中国で双子を産んだパンダって。王子にいた初代コウコウですよね?」
「そ、そうみたいですね、ボクも新聞で知りました」
「王子動物園ではそのあたりのことはニュースにしないんですか?」
「は、はあ、そのあたりいろいろと中国との大人の事情がありまして…」
うーむ、どうも歯切れが悪いな。
なにかしら高度な政治的配慮があるような。
管理事務所で今一度聞いたところ、
やはり中国で双子を出産したパンダは、王子動物園で「オス」として飼育されていた
初代コウコウだそうで。
王子動物園では発情兆候が見られなかったため「未成熟な雄」として中国に返された
コウコウですが、実は染色体を調べたところ、どうも両性具有だったようで、中国に
返還後、出産が可能になるよう様々な処置が行われた模様だ、とのことでした。
(若干オフレコ気味の話ですが)
人間の勝手でメスにしていいのかよ…。
中国の強引さに正直驚きました。
この国に「パンダ権」はないのかよ?
王子動物園を揺るがしたパンダニュース2題。
夏休みの子どもたちの元気な歓声とは裏腹の「なんともいえない重さ」を感じた夏。