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摩耶山商人(アカンド)たち
投稿日時 2010-1-20 13:20:34
執筆者 nada
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摩耶山のリュックサックマーケットは12月〜2月は冬休みをいただいています。 この時期を利用して、懐かしいリュックサックな風景をご紹介してまいります。
リュックサックマーケットは一応フリマの「かたち」をしていますが、 おそらくフリマではないと思います。 「フリマ風ピクニック」「フリマの皮を被った山遊び」 むしろそんな言葉がしっくりきます。 でも「山で遊んでいます」より「山でフリマやってます」の方が面白いから 人に説明する時は便宜上「山のフリマ」と呼ぶことにしています。
上の写真は第二回目のリュックサックマーケット(2006年3月)の私の出品物ですが、 (当時は出店者が少なかったので世話人である私も出店していました)左にある本は 半分くらい売り物で、あとは見せるだけの物。 その前にあるプレミアものの六甲ケーブルの模型。 マニア心をくすぐるのか、売ってくださいという人も多かったのですが 値段は10万円に設定していたので、もちろん売れず。いや、売る気無し。 真ん中にあるポータブルTVも売り物ではなく、こいつでWBC (ワールドベースボールクラッシック)を放映していました。 街頭テレビならぬ山上テレビといった風情で、ちょうどキューバ対日本の試合中 だったので、ビール片手に野球観戦する人がいたりちょっとした人だかりができました。
いらないものを売るのではなく、見せたいものを見せるミセ。 もしくは売れなくもいいから見て欲しいミセ。 いわゆる「見せミセ」の登場です。 「買うたらあかんど」「売れへんど」が口癖の見せミセ商人(あきんど)たちは、 「摩耶山アカンド」と呼ばれ、売る気満々の「フリマ系あきんど」にあきれられました。 アカンド達は貨幣経済には興味はなく、店頭に並べられたモノたちがきっかけで 生まれる会話の取引にこだわったのです。 「売れなくて良し、話して良し、楽しければ良し」の「三方良し」をモットーにし、 商売中に昼寝をしたり、店をほっぽらかして散歩に出かける自由奔放な彼らは、 摩耶山上にまったりとした空気をつくっていきます。 よく摩耶山のリュックサックマーケットは一般のフリマのように殺伐としていない と言われますが、これは摩耶山アカンドの存在も大きいと思われます。
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