[000930-68]灘生活の拠点・柴橋ビル【さら灘04】
投稿者: Naddist 掲載日: 2000-9-30 (1747 回閲覧)
...n a d d i s t
...000930-68
...
...naddism Edit.
============================================================
愛しき灘を書き綴った、「さら灘」も順調に第4話。
「学遊飲住愛憎喜怒哀楽六甲道鉄賃アパートレポート」です。
阪神大震災よりほんの少し前の六甲道的風景です。
===========================================さらば愛しき灘よ04
●DECO様(元・学遊飲住愛憎喜怒哀楽クミン)
■第四話 灘生活の拠点・柴橋ビル
かつて六甲本通商店街沿いに「柴橋ビル」という建物があった。
四十代以上の方には「金沢ビル」と言ったほうが通りがいいかもしれ
ない。柴橋ビルは四階建ての鉄賃アパートだった。「だった」と過去
形にしたのは柴橋ビルが阪神大震災で全壊したからであるが、現在で
は瀟洒な高層マンションへと見事な変貌を遂げており、アプローチに
は南欧風のペーブが施されていたりもする。もちろん名称も「柴橋ビ
ル」なんていう即物的なものではなくなり、フランス語だかイタリア
語だかスペイン語だかの一度聞いただけではよくわからないが、二度
聞いてもよくわからない名前に変わっている。
柴橋ビルの不思議なところは、二階にたくさんのスナックがあるこ
とだった。それらの極度に庶民的な雰囲気は、柴橋ビルとすぐ目と鼻
の先にあるあの「クラブ○レー」と実に好対照をなしていた。そのス
ナックに関して僕がいつも疑問に思っていたのは、ほとんどの店が前
のシャッターの柱をはずさずに営業されていたことだ。あれは建物の
構造体の一部だったのかもしれない。ちなみに二階にあるのはスナッ
クだけはない。ライヴハウスがあった。そう、あの「春待ち疲れバン
ド」である。そんなわけで、柴橋ビルの住人は、いつも夜遅くまでカ
ラオケとライヴの音を聞かされることになった。
僕は柴橋ビルの四階に住んでいた。部屋は南に面して窓があって、
天気が良ければ林立するビル群のほんのわずかな隙間を通して瀬戸内
海を望むことができた。この窓のおかげで冬はとても暖かく過ごすこ
とができた。何しろ部屋はトイレと流し台を除くと三畳しかないのだ。
陽が差していさえすれば暖まるのは速い。しかも部屋の中ではあまり
動く必要がない。だがもちろん問題もあった。冷蔵庫は30センチ以
上開かなかったし、ちゃぶ台の上を踏まなければ出入りできなかった
(もっともこうした問題は、長きにわたる試行錯誤と紆余曲折を経て
最終的に改善された)。さらなる問題は、友達が来たときである。間
取りとインテリアの関係上、三人入ると一直線にならぶ必要があった
(四人入ると全員立たなくてはならない)。そして一人が動こうとす
ると、全員が動かねばならなかった(ちなみにこれらの問題は、最後
まで改善できなかった)。部屋に入って最初の十分ぐらいはみんな我
慢してくれているのだが、どういうわけかだんだんイライラしてくる
ようである。そしてついには「なんでこんな狭いのにギターが三本も
あるねん」とか「レコードプレーヤーよりもっと先に置くべきものが
あるやろう」と言い出す。たしかにギターは三本あったが、ひとつは
生ギターで、ひとつはエレキで、もうひとつはアウトドア用なのだか
ら仕方がない。それにレコードプレーヤーより先にと言われてもレコ
ードはレコードプレーヤーがなければただの塩化ビニルではないか。
あるいはソニーの高級アンプを買う前に白黒テレビを買い換えろとい
う主旨のアレゴリーだったのかもしれない。
柴橋ビルに関して、もうひとつ忘れられないのが夏の蒸し暑さであ
る。あれはおそらく、どてらを着てサウナに入っている状態よりはま
しだが、サウナから出た直後にどてらを着るよりはひどい。具体的な
事例を示すと、ある夏の最中、僕は窓を閉めきって二週間ほど部屋を
留守にしたことがあった。帰ってみると、床の上にはわけのわからな
いひからびた虫たちの屍骸がころがっていた。暑さで死んだのだとし
たら悪いことをしたと思うが、とにかくそれぐらい暑いのである。
もちろん水道の蛇口からは正真正銘の「湯」が出てきたし、ビールは
一気に飲むか、そうしないときはたとえ一分間でも冷蔵庫に入れなけ
ればならず、そのまま放置しようものなら、やがてそれは当時しばし
ば見舞われた激しい自己嫌悪への引き金となった。僕が今でもビール
を飲んでいるあいだは何となく気分が落ちつかないのは、そのときの
ことが原因なのではないかと思っている。
今もときどき柴橋ビルのことを思い出す。そこは僕がはじめて一人
暮らしをした場所だったし、いろんな意味での出発点であり、そして
帰る場所だった。それは暫定的だったのかもしれないけれど、人生で
さえ暫定的なのだ。そんな暫定的な時間の中で、僕は当時と同じレコ
ードプレーヤーで、クリフォード・ブラウンやチェット・ベイカーや
キング・クリムゾンやディープ・パープルを聴いている。部屋の面積
は柴橋ビルのときと比べて四倍近くになったけれど、相変わらずブラ
ウンの声は暖かく、チェットは甘く、クリムゾンは美しい。そしてイ
アン・ギランは恥じらいもなく絶叫している。それにしても、柴橋ビ
ルのスナックに通っていた人々は今、どこで飲んでいるのだろう?
まさかクラブ○レーではあるまい。
DECOさん、レポートありがとうございました。
震災後、六甲道の風景も一気に変わりつつあります。
かつて、雑多な私的文化を醸し出していた町も、オオヤケ的単
機能都市へ。駅前の再開発ビルwelvの暴力的メガスケール振り
はこの町にとどめを差すシンボルとなっています。
(welvに住んでいる方、ごめんなさい)
今六甲道を席巻するのは、交通至便分譲マンションと百円ショ
ップとコンビニ(笑)。正に「大阪で稼いだ金をためる町」化
が進んでいます。区役所が桜口へ移転する頃にはさらにしらけ
た町になってしまうのでしょうか?
それは、その町に住み、働き、集う人、犬、猫、セミ、オケラ、
ミミズ、アメンボ、○レ−のママ…の手に委ねられていまので
はないでしょうか。町も所詮「暫定的」なものなはずですから
都市計画でフィックスされるはずがないはずですしね。
そんな「メガリーズナブル六甲道」に逆行するカウンターもな
いわけではありません。「グランドピアノのあるたこやき屋」
「ベーゼンドルファーのある喫茶店」「毎日4人前ぐらいしか
カレーを作らない極小喫茶店」「我が路を行く宇仁菅書店」
「独自の銭湯路線を歩む新温泉」「磯自慢の道場」「かねふく
の野菜コロッケ」…そこに住み、働き、集う人のほんの少しの
灘愛と勇気が新しい六甲道を創っていくと思います。
先日六甲道から少し西にある「琵琶町」の住民まつりを覗いて
きました。ここも震災後区画整理が行なわれ、道の広さも、
まだなんかしっくりとこない新しい町になりました。
住宅街の祭りには似つかわない若いアンちゃん達がが舞台上に
いました。どうも琵琶町のアマチュアロックバンドらしい。
「○丁目の○○です!灘が好きです!それでは聞いて下さい。
ジャーン!」なーんて少し聞いている方がこっぱずかしかった
ですが、それはそれで「ええやん!」って思ってしまいました。
------------------------------------------------------------
【春待ち疲れBand】
ライブハウス「春待ち疲れBand」はもうなくなりましたが、ジ
ャグバンド「春待ちファミリーBand」は現在も活動中です。
『春待ちファミリーBand オフィシャルホームページ』
http://nrjp.com/harumati/
紅茶クミンMorris.さんの『春待ちファミリーBAND部屋』
http://www.orcaland.gr.jp/~morris/haru/tharu.htm
■■■■■ 期間限定SAYOさんチャチャチャのコーナー ■■■■■
さて、オリンピックミンSAYOさん情報です。
9/27のカヌー競技スプリント女子500m予選が行なわれ、
SAYOさんは8位、惜しくも決勝進出はなりませんでした。
でもクミンに夢と希望を与えて頂き、試合前にもかかわらずシドニ
ーメールを頂いたりありがとうございました。
そして、お疲れ様でした!
読者の方からもお疲れ様でしたメールを頂いています。
●がじ様(元彼女クミン)
SAYOさん、お疲れ様でした。
結果は残念でしたが、それでも私にとっては、
世界の舞台にたつこと自体すごいことだと思いました。
今回の五輪は、クミンに選手がいるということで
少しだけ身近に感じて楽しむことができました。
ありがとうございました。
ぜひともアテネ五輪にも出場して
今度こそ、楽しめたといってください。
すごい大変なことだとは思いますが、
応援しています!
本当にお疲れ様でした。。。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
============================================================
naddistに頂いた、皆さんからのご意見ご感想や灘情報を
ご紹介する「なだっちゅーの!」を、お送りいたします。
メールを下さった皆様、ありがとうございました。
=========================================なだっちゅーの! 50
[naddist 000830-65]「八幡神社わら人形白装束女」に関する情報
です。
●夕ー民様(元クミン)
八幡神社のわら人形確かに神戸新聞に載りました。
時々、友達なんかと行ったり、待ち合わせしたりしてたけど、あれ
以来二度といきたくなく、思い出の場所ですが足をふみいれていま
せん。あの写真入りの記事は今も脳裏に焼き付いています。
やはり神戸新聞に載っていましたか。
今度中央図書館へ行って調べておきます。
神戸新聞のこの手の記事で言うと「口裂け女、2号線から神戸
市へ侵入か?!」という見出しに戦慄を覚えた記憶があります。
しばらく2号線沿いの一人歩きは、やめたものです。
【口裂け女】
口が耳まで裂けた女 マスク 「私きれい?」
100mを5秒で走る ナイフを持つ
逃げられない
-----------------------------------------------------nad
[naddist 000920-67]「灘の細道」へのご感想を頂きました。
●信ちゃん様
灘の細道、面白かったです。
東灘の細道も面白いところが有りますね。
小学校の頃マヤケーブル駅の近所に住んでいた友人に転送したとこ
ろ、すぐ電話がかかってきて(残念ながら彼はPC音痴で)懐かし
いなあ、貧乏川知ってるといっていました。昔の餓鬼どもは実に裏
道で遊びました。今はそんな子供を殆ど見ませんね。六甲山のYMCA
では子供達に木の枝からロープを垂らしてぶらんこ、斜面をすべる
滑り台などを大人が作って遊び方を教えています。
ちょっと変ですね。
先日上野通周辺を散歩していたら、ちっやい子が「テケテケテ」
っと駆けて来て、「テケテケテ」っと家と家の隙間に入って、
私も思わず追いかけていったら、どこかへ消えてしまいました。
久々に路地と家と家の隙間をフィールドにしている子供を見て
少し感動しました。そして思いました。
「大きくなったらnaddistに記事書いてね」
-----------------------------------------------------nad
============================================================
● naddist NEWS ●
============================================================
● 700名記念パブオフ終了! ●
去る9月22日(金)JR灘駅前「清原酒店」にて第5回パブオフを
開催しました。参加者は8名。たん吉さん、よねさん、きつねっこ
さん、喜多さん、Morris.さん、さわさきさん、ドクターフランキ
ーさん、nanさん、ありがとうございました。
------------------------------------------------------------
● 灘 中の手昭和ラビリンスツアー開催告知 ●
震災後、大きく変わりつつある灘の町並み。
そんな中でひっそりと佇む、中の手住宅、路地群。
そこは、まるで昭和の迷宮。あの家を見られるのは最後かも。
っつうことで、秋のnaddistツアー第一弾開催します。
ほっこり、ほろり、ざっくり、土露路、灘散歩。
日時:10月22日(土)15:00〜17:00頃まで
集合:15:00 阪急王子公園東口改札
探検エリア:福住、天城、畑原、上野の中の手「通」ゾーン
参加ご希望の方は事前にnaddistまでメールでお知らせ下さい。
------------------------------------------------------------
● ありゃ…時すでに遅し!山幹道路拡幅工事間もなく始まる ●
前号、秋の灘ツアーの告知で
「山幹プレ道路拡幅チキチキウォーキング」(10月下旬開催予定)
山手幹線の拡幅工事により、なくなってしまいそうなあの店
この場所どの地蔵?あなたの心のアルバムにそっとしまって
おいて下さい。
な〜んて言ってたら、どうやら六甲口周辺は来月初旬には工事が始
まってしまうようです。「おおにし」はもう店を閉めてますし…。
「○レ−」はどうなってしまうのか?
「カウンターレディー急募」の貼り紙はどうなる????
------------------------------------------------------------
● 「六甲音楽祭」のチケットあります。 ●
10/7(土)に開催される、「六甲音楽祭」のフリーパスポート
券たくさんあります。1枚2000円です。
ご入用の方はnaddistまでメール下さい。(10/5まで)
プレゼントじゃないですが…。
『六甲音楽祭〜6時間世界一周・音楽の旅〜』
会場:祥龍寺、神戸学生青年センター、神戸雲内教会(全て灘区)
時間:11:00〜17:00
出演:金 関環(ヴァイオリン)
飯田憲司(サキソフォン)
ロビン・ロイド(アフリカンパーカッション、尺八)
閻 杰(中国琵琶)
マリオネット(ファド・ポルトガルギター)
井出正雄+ソルティードックス(ジャズ)
主催:神戸パーカッションフェスタ実行委員会
六甲音楽祭実行委員会
============================================================
naddist発行の「春待ちファミリーBand」は皆様からのメールです。
お気軽に「町話」「感想」お寄せ下さい。
naddistへ、ご意見ご感想、情報メールをお送り頂く時は、
・「なだっちゅーの」(読者お便りコーナー)への転載の可否
・転載の条件(匿名希望、ペンネーム等)
・現在住んでいる所(もしよろしければ)
・灘区との関わり(適当につけて下さい)
(例)元クミン:元灘区在住
現クミン:現灘区在住 etc…
(クミン=区民ではないので、他地区の方大歓迎)
等を明記して頂ければ幸いです。
------------------------------------------------------------
稗田幼稚園+西郷幼稚園=灘すずかけ幼稚園…名前がイマイチ…
------------------------------------------------------------
ご意見ご感想は eken@pp.iij4u.or.jp までお願いします。
------------------------------------------------------------
naddist [Kapsel naddism] 0000009510
produced by "naddism Edit."(@parabolart)
e-mail "eken@pp.iij4u.or.jp"
------------------------------------------------------------
powered by "magmag" www.mag2.com
...000930-68
...
...naddism Edit.
============================================================
愛しき灘を書き綴った、「さら灘」も順調に第4話。
「学遊飲住愛憎喜怒哀楽六甲道鉄賃アパートレポート」です。
阪神大震災よりほんの少し前の六甲道的風景です。
===========================================さらば愛しき灘よ04
●DECO様(元・学遊飲住愛憎喜怒哀楽クミン)
■第四話 灘生活の拠点・柴橋ビル
かつて六甲本通商店街沿いに「柴橋ビル」という建物があった。
四十代以上の方には「金沢ビル」と言ったほうが通りがいいかもしれ
ない。柴橋ビルは四階建ての鉄賃アパートだった。「だった」と過去
形にしたのは柴橋ビルが阪神大震災で全壊したからであるが、現在で
は瀟洒な高層マンションへと見事な変貌を遂げており、アプローチに
は南欧風のペーブが施されていたりもする。もちろん名称も「柴橋ビ
ル」なんていう即物的なものではなくなり、フランス語だかイタリア
語だかスペイン語だかの一度聞いただけではよくわからないが、二度
聞いてもよくわからない名前に変わっている。
柴橋ビルの不思議なところは、二階にたくさんのスナックがあるこ
とだった。それらの極度に庶民的な雰囲気は、柴橋ビルとすぐ目と鼻
の先にあるあの「クラブ○レー」と実に好対照をなしていた。そのス
ナックに関して僕がいつも疑問に思っていたのは、ほとんどの店が前
のシャッターの柱をはずさずに営業されていたことだ。あれは建物の
構造体の一部だったのかもしれない。ちなみに二階にあるのはスナッ
クだけはない。ライヴハウスがあった。そう、あの「春待ち疲れバン
ド」である。そんなわけで、柴橋ビルの住人は、いつも夜遅くまでカ
ラオケとライヴの音を聞かされることになった。
僕は柴橋ビルの四階に住んでいた。部屋は南に面して窓があって、
天気が良ければ林立するビル群のほんのわずかな隙間を通して瀬戸内
海を望むことができた。この窓のおかげで冬はとても暖かく過ごすこ
とができた。何しろ部屋はトイレと流し台を除くと三畳しかないのだ。
陽が差していさえすれば暖まるのは速い。しかも部屋の中ではあまり
動く必要がない。だがもちろん問題もあった。冷蔵庫は30センチ以
上開かなかったし、ちゃぶ台の上を踏まなければ出入りできなかった
(もっともこうした問題は、長きにわたる試行錯誤と紆余曲折を経て
最終的に改善された)。さらなる問題は、友達が来たときである。間
取りとインテリアの関係上、三人入ると一直線にならぶ必要があった
(四人入ると全員立たなくてはならない)。そして一人が動こうとす
ると、全員が動かねばならなかった(ちなみにこれらの問題は、最後
まで改善できなかった)。部屋に入って最初の十分ぐらいはみんな我
慢してくれているのだが、どういうわけかだんだんイライラしてくる
ようである。そしてついには「なんでこんな狭いのにギターが三本も
あるねん」とか「レコードプレーヤーよりもっと先に置くべきものが
あるやろう」と言い出す。たしかにギターは三本あったが、ひとつは
生ギターで、ひとつはエレキで、もうひとつはアウトドア用なのだか
ら仕方がない。それにレコードプレーヤーより先にと言われてもレコ
ードはレコードプレーヤーがなければただの塩化ビニルではないか。
あるいはソニーの高級アンプを買う前に白黒テレビを買い換えろとい
う主旨のアレゴリーだったのかもしれない。
柴橋ビルに関して、もうひとつ忘れられないのが夏の蒸し暑さであ
る。あれはおそらく、どてらを着てサウナに入っている状態よりはま
しだが、サウナから出た直後にどてらを着るよりはひどい。具体的な
事例を示すと、ある夏の最中、僕は窓を閉めきって二週間ほど部屋を
留守にしたことがあった。帰ってみると、床の上にはわけのわからな
いひからびた虫たちの屍骸がころがっていた。暑さで死んだのだとし
たら悪いことをしたと思うが、とにかくそれぐらい暑いのである。
もちろん水道の蛇口からは正真正銘の「湯」が出てきたし、ビールは
一気に飲むか、そうしないときはたとえ一分間でも冷蔵庫に入れなけ
ればならず、そのまま放置しようものなら、やがてそれは当時しばし
ば見舞われた激しい自己嫌悪への引き金となった。僕が今でもビール
を飲んでいるあいだは何となく気分が落ちつかないのは、そのときの
ことが原因なのではないかと思っている。
今もときどき柴橋ビルのことを思い出す。そこは僕がはじめて一人
暮らしをした場所だったし、いろんな意味での出発点であり、そして
帰る場所だった。それは暫定的だったのかもしれないけれど、人生で
さえ暫定的なのだ。そんな暫定的な時間の中で、僕は当時と同じレコ
ードプレーヤーで、クリフォード・ブラウンやチェット・ベイカーや
キング・クリムゾンやディープ・パープルを聴いている。部屋の面積
は柴橋ビルのときと比べて四倍近くになったけれど、相変わらずブラ
ウンの声は暖かく、チェットは甘く、クリムゾンは美しい。そしてイ
アン・ギランは恥じらいもなく絶叫している。それにしても、柴橋ビ
ルのスナックに通っていた人々は今、どこで飲んでいるのだろう?
まさかクラブ○レーではあるまい。
DECOさん、レポートありがとうございました。
震災後、六甲道の風景も一気に変わりつつあります。
かつて、雑多な私的文化を醸し出していた町も、オオヤケ的単
機能都市へ。駅前の再開発ビルwelvの暴力的メガスケール振り
はこの町にとどめを差すシンボルとなっています。
(welvに住んでいる方、ごめんなさい)
今六甲道を席巻するのは、交通至便分譲マンションと百円ショ
ップとコンビニ(笑)。正に「大阪で稼いだ金をためる町」化
が進んでいます。区役所が桜口へ移転する頃にはさらにしらけ
た町になってしまうのでしょうか?
それは、その町に住み、働き、集う人、犬、猫、セミ、オケラ、
ミミズ、アメンボ、○レ−のママ…の手に委ねられていまので
はないでしょうか。町も所詮「暫定的」なものなはずですから
都市計画でフィックスされるはずがないはずですしね。
そんな「メガリーズナブル六甲道」に逆行するカウンターもな
いわけではありません。「グランドピアノのあるたこやき屋」
「ベーゼンドルファーのある喫茶店」「毎日4人前ぐらいしか
カレーを作らない極小喫茶店」「我が路を行く宇仁菅書店」
「独自の銭湯路線を歩む新温泉」「磯自慢の道場」「かねふく
の野菜コロッケ」…そこに住み、働き、集う人のほんの少しの
灘愛と勇気が新しい六甲道を創っていくと思います。
先日六甲道から少し西にある「琵琶町」の住民まつりを覗いて
きました。ここも震災後区画整理が行なわれ、道の広さも、
まだなんかしっくりとこない新しい町になりました。
住宅街の祭りには似つかわない若いアンちゃん達がが舞台上に
いました。どうも琵琶町のアマチュアロックバンドらしい。
「○丁目の○○です!灘が好きです!それでは聞いて下さい。
ジャーン!」なーんて少し聞いている方がこっぱずかしかった
ですが、それはそれで「ええやん!」って思ってしまいました。
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【春待ち疲れBand】
ライブハウス「春待ち疲れBand」はもうなくなりましたが、ジ
ャグバンド「春待ちファミリーBand」は現在も活動中です。
『春待ちファミリーBand オフィシャルホームページ』
http://nrjp.com/harumati/
紅茶クミンMorris.さんの『春待ちファミリーBAND部屋』
http://www.orcaland.gr.jp/~morris/haru/tharu.htm
■■■■■ 期間限定SAYOさんチャチャチャのコーナー ■■■■■
さて、オリンピックミンSAYOさん情報です。
9/27のカヌー競技スプリント女子500m予選が行なわれ、
SAYOさんは8位、惜しくも決勝進出はなりませんでした。
でもクミンに夢と希望を与えて頂き、試合前にもかかわらずシドニ
ーメールを頂いたりありがとうございました。
そして、お疲れ様でした!
読者の方からもお疲れ様でしたメールを頂いています。
●がじ様(元彼女クミン)
SAYOさん、お疲れ様でした。
結果は残念でしたが、それでも私にとっては、
世界の舞台にたつこと自体すごいことだと思いました。
今回の五輪は、クミンに選手がいるということで
少しだけ身近に感じて楽しむことができました。
ありがとうございました。
ぜひともアテネ五輪にも出場して
今度こそ、楽しめたといってください。
すごい大変なことだとは思いますが、
応援しています!
本当にお疲れ様でした。。。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
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naddistに頂いた、皆さんからのご意見ご感想や灘情報を
ご紹介する「なだっちゅーの!」を、お送りいたします。
メールを下さった皆様、ありがとうございました。
=========================================なだっちゅーの! 50
[naddist 000830-65]「八幡神社わら人形白装束女」に関する情報
です。
●夕ー民様(元クミン)
八幡神社のわら人形確かに神戸新聞に載りました。
時々、友達なんかと行ったり、待ち合わせしたりしてたけど、あれ
以来二度といきたくなく、思い出の場所ですが足をふみいれていま
せん。あの写真入りの記事は今も脳裏に焼き付いています。
やはり神戸新聞に載っていましたか。
今度中央図書館へ行って調べておきます。
神戸新聞のこの手の記事で言うと「口裂け女、2号線から神戸
市へ侵入か?!」という見出しに戦慄を覚えた記憶があります。
しばらく2号線沿いの一人歩きは、やめたものです。
【口裂け女】
口が耳まで裂けた女 マスク 「私きれい?」
100mを5秒で走る ナイフを持つ
逃げられない
-----------------------------------------------------nad
[naddist 000920-67]「灘の細道」へのご感想を頂きました。
●信ちゃん様
灘の細道、面白かったです。
東灘の細道も面白いところが有りますね。
小学校の頃マヤケーブル駅の近所に住んでいた友人に転送したとこ
ろ、すぐ電話がかかってきて(残念ながら彼はPC音痴で)懐かし
いなあ、貧乏川知ってるといっていました。昔の餓鬼どもは実に裏
道で遊びました。今はそんな子供を殆ど見ませんね。六甲山のYMCA
では子供達に木の枝からロープを垂らしてぶらんこ、斜面をすべる
滑り台などを大人が作って遊び方を教えています。
ちょっと変ですね。
先日上野通周辺を散歩していたら、ちっやい子が「テケテケテ」
っと駆けて来て、「テケテケテ」っと家と家の隙間に入って、
私も思わず追いかけていったら、どこかへ消えてしまいました。
久々に路地と家と家の隙間をフィールドにしている子供を見て
少し感動しました。そして思いました。
「大きくなったらnaddistに記事書いてね」
-----------------------------------------------------nad
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● naddist NEWS ●
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● 700名記念パブオフ終了! ●
去る9月22日(金)JR灘駅前「清原酒店」にて第5回パブオフを
開催しました。参加者は8名。たん吉さん、よねさん、きつねっこ
さん、喜多さん、Morris.さん、さわさきさん、ドクターフランキ
ーさん、nanさん、ありがとうございました。
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● 灘 中の手昭和ラビリンスツアー開催告知 ●
震災後、大きく変わりつつある灘の町並み。
そんな中でひっそりと佇む、中の手住宅、路地群。
そこは、まるで昭和の迷宮。あの家を見られるのは最後かも。
っつうことで、秋のnaddistツアー第一弾開催します。
ほっこり、ほろり、ざっくり、土露路、灘散歩。
日時:10月22日(土)15:00〜17:00頃まで
集合:15:00 阪急王子公園東口改札
探検エリア:福住、天城、畑原、上野の中の手「通」ゾーン
参加ご希望の方は事前にnaddistまでメールでお知らせ下さい。
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● ありゃ…時すでに遅し!山幹道路拡幅工事間もなく始まる ●
前号、秋の灘ツアーの告知で
「山幹プレ道路拡幅チキチキウォーキング」(10月下旬開催予定)
山手幹線の拡幅工事により、なくなってしまいそうなあの店
この場所どの地蔵?あなたの心のアルバムにそっとしまって
おいて下さい。
な〜んて言ってたら、どうやら六甲口周辺は来月初旬には工事が始
まってしまうようです。「おおにし」はもう店を閉めてますし…。
「○レ−」はどうなってしまうのか?
「カウンターレディー急募」の貼り紙はどうなる????
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● 「六甲音楽祭」のチケットあります。 ●
10/7(土)に開催される、「六甲音楽祭」のフリーパスポート
券たくさんあります。1枚2000円です。
ご入用の方はnaddistまでメール下さい。(10/5まで)
プレゼントじゃないですが…。
『六甲音楽祭〜6時間世界一周・音楽の旅〜』
会場:祥龍寺、神戸学生青年センター、神戸雲内教会(全て灘区)
時間:11:00〜17:00
出演:金 関環(ヴァイオリン)
飯田憲司(サキソフォン)
ロビン・ロイド(アフリカンパーカッション、尺八)
閻 杰(中国琵琶)
マリオネット(ファド・ポルトガルギター)
井出正雄+ソルティードックス(ジャズ)
主催:神戸パーカッションフェスタ実行委員会
六甲音楽祭実行委員会
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naddist発行の「春待ちファミリーBand」は皆様からのメールです。
お気軽に「町話」「感想」お寄せ下さい。
naddistへ、ご意見ご感想、情報メールをお送り頂く時は、
・「なだっちゅーの」(読者お便りコーナー)への転載の可否
・転載の条件(匿名希望、ペンネーム等)
・現在住んでいる所(もしよろしければ)
・灘区との関わり(適当につけて下さい)
(例)元クミン:元灘区在住
現クミン:現灘区在住 etc…
(クミン=区民ではないので、他地区の方大歓迎)
等を明記して頂ければ幸いです。
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稗田幼稚園+西郷幼稚園=灘すずかけ幼稚園…名前がイマイチ…
------------------------------------------------------------
ご意見ご感想は eken@pp.iij4u.or.jp までお願いします。
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[000920-67]薬師通地蔵小道【灘の細道 07】 |