[050422-204]岩屋・カレーのダンナ様【一杯いっとく?08】
投稿者: Nada 掲載日: 2005-4-22 (2648 回閲覧)
...n a d d i s t
...050422-204
...
...naddism Edit.
■CONTENTS======================================================
・一杯、いっとく?08
▼岩屋・カレーのダンナ様
・なだっちゅーの!168
▼水道筋の屋台のすし屋
▼灘生物情報
▼灘職人情報
▼うたごえ情報
▼はじめまして!
================================================================
さて本日お送りするのは灘に数ある飲食店のとある「一杯」のメニュー
から灘の町をあぶりだすnaddistグルメシリーズ「一杯、いっとく?」
の第8話、もちろんカレーネタです。
今日もアノ店のアノ一杯をご紹介いたします。
休日にでもいっといてください。
==============================================一杯、いっとく?08
■岩屋・カレーのダンナ様
TEXT:naddist
「naddistさん、湾岸を斬ってくださいよ」
「はぁ…」
確かに灘の湾岸が熱い。
ルート43。
かつて「第二阪神国道」と呼ばれた道沿いは不景気とは裏腹のプチバブ
ルな状況。
HAT神戸には大規模なショッピングモール。
「お酒は灘のフクムスメ〜」というサンテレビのスポットCMでお馴染み
の福久娘もいよいよ灘・新在家から撤退し、その巨大な敷地跡にはホー
ムセンターコーナンが出店する。
レンガ造の工場を商業施設としてリニューアルした六甲パインモール。
当時、六甲のヌーベル六甲と並び、最先端の「お洒落スポット」だった
跡地には大型電器店が入るらしい。
灘一海に近いウェディングスペース「アクアデ摩耶」も閉鎖。
後を追うようにパスタハウス「ボルカノ」も閉店。
跡地には何ができるかは定かでない。
一方摩耶埠頭近くにはコンビニ、ファミレス、ファーストフードの店が。
あの摩耶埠頭にファミレスである。
10年前には考えられなかった状況。
灘の記憶がすっかり洗い落とされ、灘ウンチクも見事に弾き返す、
ツルツルピカピカの新建材施設群。
斬れって言われてもねぇ、なかなか難しいのですよ。
そんな中「斬ってくれ」といわんばかりのツルツルピカピカビルが岩屋
湾岸に完成しました。
その名も「BBプラザ」
だいたいBBってなんやねん?!なんかの略か?
そう思われたそこのあなた、鋭い。
ブリジッドバルドーをBBと呼ぶのと同じなのです。
なんの略かって?
いいですか。
怒らないでくださいね。
BBはね…「ブンブン」の略です…。
「なめとんのかい!」
とモニターにこぶしを振り上げたそこのアナタ。
だから怒らないでくださいって。
ブンブンとは灘に実在する人物の愛称で、彼が建てたから
ブンブンプラザ=BBプラザ
なのです。
「誰やっ!そんなふざけた名前のやつはっ!(ゼェゼェ)」
まあまあ冷静に。
かつて中村美津子が紅白で歌った「S田のブンブン」という名(迷)曲。
「今日は新地か三ノ宮〜 誰が言ったかS田のブンブン ずいぶんいい
気分〜」(注1)
そう、自分の歌を作らせ、あろうことに紅白歌合戦で披露してしまった
灘区が誇るラストエンペラー、ブンブンことS田B6氏なのです。
「時計の針が クルリとまわりゃ 遊びごごろが 疼きだす」と歌われ
たBB氏のエンペラー振りはもはや伝説化しています。
「祇園に馬で行く事件」(注2)
「○○○○○○を○○○で○○○事件」
あまり書くと私自身抹殺される可能性がありますので、この辺にしてお
きますが、その豪快な遊びっぷりは現在灘で失われつつある「ダンナ魂」
の継承者でもあります。
彼の遊びのルーツは「岩屋」という街にあったと思われます。
岩屋には有名な花隈と同様の花柳界があり「岩屋検番」がありました。(注3)
敏馬神社の横の縦筋は「花街大通り」と呼ばれ、多くの店が並び
「昼間から三味線が流れてナ、勉強でけへんかった」
ほどのダンナ衆が闊歩する華やかな街。「B5屋」という自分の名前を
つけた店まであった父B5氏の魂を受け継いだBB氏はこの街のダンナエキ
スを浴びすくすくと育ちます。
しかし街は戦争で破壊され、重工業地帯として生まれ変わった岩屋には
もう三味線の音が流れる事はありませんでした。国道にはトラックがあ
ふれ、「灘の百煙突」といわれた煙突からの煙。煙。煙。
「果たして岩屋はこれでいいのか?」
やがて「古き良き岩屋」の記憶を胸いっぱい吸い込んで育った彼は、
重工業の街、岩屋になんと高級フランス料理店を開店させます。
内装設計は先日亡くなった日本を代表する建築家、丹下健三氏。
神戸に縁があり、もう一人の「違いが分かる」品のいいスター建築家
清家清(注4)でなく、タンゲ。
あの「世界のタンゲ」に内装を依頼するダンナ振り。
やがて2度目の破壊が訪れます。
阪神淡路大震災。
ビルは取り壊されてもBB氏のダンナ魂は健在でした。
そして平成16年「神戸岩屋、大人の上質街区」としてツルツルピカピ
カ「BBプラザ」が完成します。
もちろん高級フレンチ「オーベックファン」も見事復活です。
しかもそれだけでは終わらないのがBB。
かつての花街、花隈をルーツに持つ高級日本料理「神戸吉兆」をテナン
トに迎えます。岩屋に吉兆。どうよ?
でも岩屋のDNA「花街」というキーワードをそっと添えるあたり、
さすがです。
あと何故か「バラ専門店」。バラ専門ですぜ。花言葉は情熱的な恋。
花街チックです。
プラザ内のデザインにもこだわりがあります。
京都の祇園などの街角でよく目にする「犬矢来」。
本来建物の外壁を泥等の汚れから守るための美しい建築部材です。
それを、あーた、ビルの中に再現しているのです。
灘、東灘の山の手お屋敷街の原風景でもある御影石積。
マンション建設のため、どんどん消失しつつある灘山手の風景です。
それを、あーた、ビルの中に再現しているのです。
まさにラーメン博物館ならぬ、ダンナのテーマパーク、ダンナ博物館
(ダン博)といっても過言ではありません。
「でも吉兆やオーベックファンやバラは岩屋のダンナDNAだっていう
のはわかるけどォ〜…気軽にっていうわけにはいかないのよネ〜」
と思われたそこのアナタ。
ご安心下さい。
手軽な岩屋のDNAがあります。
その名もブンブンカレー。650円也。
すいません。前置きがすっかり長くなってしまいました。
「一杯の味を紹介するためになんでここまで字数を使うんだよっ!」
すいません。ごもっともです。
しかし、ここまで書かなければあのカレーの深みを表現する事はでき
ないのですよ。
いよいよ本題です。
美味しんぼとしての顔も持つBB氏プロデュースの採算度外視ダンナ系
カレーとして、旧島文ビルのカレーハウス「サンテ」で供されていた
幻のカレー。下手したらハウス食品あたりが「カレーのダンナ様」と
して商品化しそうなカレー。それがブンブンカレーでした。
震災でもう食べられなくなるかと思われたあのカレーが、この度のBB
プラザ新装オープンに合わせ復活されたのです。
3階にある「アランカスケビッチのケーキ」が食べられる御影マダミッ
クなカフェスペース「アッシュドカフェ」。
ここの何の変哲もない「ビーフカレー」というメニュー。
単なるカフェのランチメニューに見えるこのカレー。
注文した時、そっと店員さんに聞いてみてください。
「これって…あの…ブンブンカレー…ですよね…?」
「…よくご存じですね…少しマイルドになりましたがブンブンカレー
の流れを汲んでいます」
微笑みとともに、きっとこんな答えが返ってくるはずです。
岩屋の白砂青松の砂浜を表現した真っ白なご飯。
そこに打ち寄せる静かな波が、煮込まれたルーで表現されています。
一口食べてみます。
岩屋で繰り広げられた幾多の恋物語を表現したかのような、爽やかであ
りつつ個性的な酸味と甘さが口一杯に広がります。
そしてさざなみのようにくり返し寄せる刺激的な辛味。
福神漬のビビットな赤は岩屋検番の芸者達の紅の色。
あの当時を知らない人でも、きっと頭の中に三味の音色が響くはず。
いや、むしろ当時を知らない人や灘区ビギナーの皆さんにこそ食べて
いただきたい灘の味。
復活したネオブンブンカレー。
正に「舌で味わう岩屋のチントンシャンDNA」なのです。
(おしまい)
BBプラザ「アッシュドカフェ」
阪神岩屋駅南へ徒歩3分
http://www.bbplaza.com/
+++++++++++++++++++++さらにnaddisticな注++++++++++++++++++++++++
注1 S田のブンブン
平成5年 第44回紅白歌合戦
作詞:田口洋
作曲:山田一平
唄:中村美津子
注2 祇園に馬で行く事件
ちなみに氏は神戸高校馬術部OBである。
注3 花隈と同様の花柳界
岩屋の街を歩くと、マンション前などで妙に大きい手水鉢が目に付く。
花街時代の遺構かもしれない。
ちなみにnaddistでも紹介した「敏馬小唄」は、この岩屋界隈を歌った
唄である。
※[naddist 020920-136]夢の敏馬でチントンシャン【ナダソニック11】
参照
注4 清家清
建築家
青年時代を神戸で過ごす。タンゲとは違う日本を代表するモダニスト。
深田池の北にある「小原流家元会館」などヒガシナダ区に作品多し。
3月22日にこの世を去った丹下健三の後を追うように今年4月8日没。
================================================================
naddistに頂いた、皆さんからのご意見ご感想や灘情報をご紹介する
「なだっちゅーの!」を、お送りいたします。
メールを下さった皆様、ありがとうございました。
→投稿はpostmaster@naddist.jpまで
=============================================なだっちゅーの!165
●岡ちゃん様
http://plaza.rakuten.co.jp/udonnaya/
水道筋の屋台のすし屋情報です。
箱寿司だけではなく普通のにぎり寿司もあったと思うという話をききま
した。「なると」というすし屋ではないかということです。
場所は今の住谷歯科医院のあるところです。
未確認情報ですが三宮に移転して営業されているらしいとのことです。
前号でご紹介した「水道筋の寿司屋台」情報いただきました。
ありがとうございます。
屋台でにぎり寿司、粋すぎます
今では保健所の関係で無理なのでしょうかね?
引き続き「なると」情報お待ちしております。
--------------------------------------------------------nad
●飛田様
大きな鯉を発見しました。
場所は、双葉学園の横のダム
80センチ?の黒
50センチ?の金色
50センチ?の黒
川を越えて御影の方に行こうとして道に迷い、
そのダムの対岸で発見しました。
おお、鶴甲方面ネタありがとうございます。
このような灘生物情報もお待ちしております。
--------------------------------------------------------nad
●こはく様(お仕事クミン)
先日、大阪で開催中の竹中大工道具館の20周年記念巡回展「木の匠と
鉄の匠」に行ったんですが、「鉄の匠 西の名工」としてあげられて
いる「二代宮野鉄之助さん(本名:遠藤政一郎/三木出身)」の略歴
をみていたら、何と灘区篠原中町で目立業を、その後、友田町で鋸及
日本刀鍛造をしておられたと書いてありました。
昭和8年頃から自宅兼工場が空襲にあう20年頃まで灘でノコギリづくり
をしていたようです。鍛冶の才能にあふれた人で、たたら製鉄法とい
う手法で玉鋼をつくって、それでノコギリを鍛える伝統技を守ったよ
うです。
平成8年に96歳で逝去されていますが、戦後、疎開先の三木市に転居し
ていなければ、今でも灘に老舗鍛冶業が残っていたかもしれません。
何となく「灘の名工」を逃した感のある、展示会での発見でした。
灘職人情報をいただきました。
今の大内通、岸地通あたりは昔「鍛冶屋」という村と呼ばれ鍛冶
職人が多く住んでいたそうです。村内には太田川という川が流れ
(貧乏川と呼ぶ人もいる)
その川沿いに野鍛冶場があったそうですよ。
しかし「鉄之助」ってかっこいい名前だよなあ。
--------------------------------------------------------nad
●アート喫茶オリーブ様
お蔭様で改装工事も無事終わり新装開店できるようになりました。
今年は私も還暦を迎える年にあたり心新たにスタートしたいと思って
おります。
カルチャー教室、歌声喫茶に加えギャラリーとして作品発表の場に
ご利用いただけます。
又会食などのご予約も承っております。
ご来店戴いた方の五感を満足していただけますよう努力いたす所存です。
今後共どうぞよろしくお願い申しあげます。
4月23日(土)午後7時ー9時 歌声喫茶
司会・ 上山克彦 アコーディオン・ 望月一郎
4月25日(月)午後2時30分ー4時30分 歌声喫茶
アコーディオン・望月一郎
アート喫茶オリーブ
篠原南町3丁目(将軍通の阪急踏切東入ル
阪急六甲より線路浜側 西へ徒歩6分)
定休日・・・・4月2日(土)3日(日) 7日(木)21日(木)
営業時間・・・午前10時ー6時(予約戴いた日は夜も営業します)
TEL,FAX・・・・078-861-7012
昨年配信しましたnaddist186号で
ナダソニック13〜篠原南町 伝説の「うたごえ」
として紹介させていただきました、アート喫茶オリーブさんから
「うたごえ情報」をいただきました。
驚愕のライブ空間、またおじゃまさせていただきます。
--------------------------------------------------------nad
●たろへー様(きのう・きょう・あすもクミン)
水道筋温泉の産湯を使い、市電石屋川線の電車の音と、
東灘貨物駅の貨車の連結器のドカチャチャチャチャチャチャチャドカー
ン!を子守唄に、生まれも育ちもチャキチャキの生粋の灘っコです。
たまたまこのメルマガを見つけたのですが、
すでに遅きに失していたか!!!
何故かというと、かような素晴らしきものを今まで6年以上もみすみ
す見過ごしていたとは!ということなのです。
バックナンバーもとてもじゃないですが、これだけの量、いっぺんに
読めません!
もう、一つ一つにいっぱいツッコミできます。
「天城ビンボー洞門」など爆笑です。
身長の高い人など本当にヤバイと思います。
車両建築限界(専門用語)と干渉しないのか調べてみたいです。
「ガリバートンネル」「プロパガンダ戦闘機」などもネタ有り!
(へえ〜!と言わせる自信有り)です。
気になるタイトルのものだけつまみ食いしてもこの状態です。
色々なイベントがあったのですね!!!今なら絶対参加していただろ
うというようなイベントの数々・・・・嗚呼。
というわけで、さくらバスにも乗りましたが、naddistさんのガイド
の便ではなかったようです。
区内の市バスネタもうるさいですよ。まあいずれまた薀蓄を披露しま
しょう。
このメルマガが私に見つかったことを後悔しないでください。
私が入ってきたことでこのメルマガが吉とでるか凶とでるか、私は
責任が持てません。
さらにマニアック色が強くなっていく恐れが十分にあります。
もっぱら私の徳井、いや得意分野は懐古系、交通、街の風情、といっ
たところかな。
私のテリトリーは水道筋、稗田小〜上野中校区が中心ですが、もちろ
ん広く灘区が大好きです。
以後、お見知りおきのほど。
と、まあこんな感じですが、よろしくお願いします。\(*^∇^*)/
こ、こちらこそよろしくお願いいたします…
テキドなマニア情報お待ちしております(笑)
どうぞお手柔らかに。
「灘さくらバス」如何でしたか?
灘の桜の具合もバッチリ!とても楽しい企画だったと思います。
それと、車窓案内ですが、原稿だけ託して水道筋さんにまかせま
した。
他に乗られた方がありましたら感想どしどしお寄せください!
--------------------------------------------------------nad
naddistは「等幅フォント」でご覧ください。
----------------------------------------------------------------
ソーシャルネットワーキングサイトmixiの灘系コミュもよろしくね!
「水道筋倶楽部」http://mixi.jp/view_community.pl?id=26634
「灘区っ!!!」http://mixi.jp/view_community.pl?id=28599
================================================================
naddist発行の「オーベックファンのスタインウェイ」は皆様からの
メールです。
お気軽に「町話」「感想」お寄せ下さい。
naddistへ、ご意見ご感想、情報メールをお送り頂く時は、
・「なだっちゅーの」(読者お便りコーナー)への転載の可否
・転載の条件(匿名希望、ハンドル名等、URL載せる事も可能です)
・現在住んでいる所(もしよろしければ)
・灘区との関わり(適当につけて下さい)
(例)元クミン:元灘区在住
現クミン:現灘区在住
(クミン=区民ではないので、他地区の方大歓迎)
等を明記して頂ければ幸いです。
----------------------------------------------------------------
さくらバスの車窓案内は水道筋300円ショップの大将。
----------------------------------------------------------------
ご意見ご感想は postmaster@naddist.jp までお願いします。
----------------------------------------------------------------
naddist [Kapsel naddism] 0000009510
produced by "naddism Edit."(@parabolart)
e-mail "postmaster@naddist.jp"
----------------------------------------------------------------
powered by "magmag" www.mag2.com
...050422-204
...
...naddism Edit.
■CONTENTS======================================================
・一杯、いっとく?08
▼岩屋・カレーのダンナ様
・なだっちゅーの!168
▼水道筋の屋台のすし屋
▼灘生物情報
▼灘職人情報
▼うたごえ情報
▼はじめまして!
================================================================
さて本日お送りするのは灘に数ある飲食店のとある「一杯」のメニュー
から灘の町をあぶりだすnaddistグルメシリーズ「一杯、いっとく?」
の第8話、もちろんカレーネタです。
今日もアノ店のアノ一杯をご紹介いたします。
休日にでもいっといてください。
==============================================一杯、いっとく?08
■岩屋・カレーのダンナ様
TEXT:naddist
「naddistさん、湾岸を斬ってくださいよ」
「はぁ…」
確かに灘の湾岸が熱い。
ルート43。
かつて「第二阪神国道」と呼ばれた道沿いは不景気とは裏腹のプチバブ
ルな状況。
HAT神戸には大規模なショッピングモール。
「お酒は灘のフクムスメ〜」というサンテレビのスポットCMでお馴染み
の福久娘もいよいよ灘・新在家から撤退し、その巨大な敷地跡にはホー
ムセンターコーナンが出店する。
レンガ造の工場を商業施設としてリニューアルした六甲パインモール。
当時、六甲のヌーベル六甲と並び、最先端の「お洒落スポット」だった
跡地には大型電器店が入るらしい。
灘一海に近いウェディングスペース「アクアデ摩耶」も閉鎖。
後を追うようにパスタハウス「ボルカノ」も閉店。
跡地には何ができるかは定かでない。
一方摩耶埠頭近くにはコンビニ、ファミレス、ファーストフードの店が。
あの摩耶埠頭にファミレスである。
10年前には考えられなかった状況。
灘の記憶がすっかり洗い落とされ、灘ウンチクも見事に弾き返す、
ツルツルピカピカの新建材施設群。
斬れって言われてもねぇ、なかなか難しいのですよ。
そんな中「斬ってくれ」といわんばかりのツルツルピカピカビルが岩屋
湾岸に完成しました。
その名も「BBプラザ」
だいたいBBってなんやねん?!なんかの略か?
そう思われたそこのあなた、鋭い。
ブリジッドバルドーをBBと呼ぶのと同じなのです。
なんの略かって?
いいですか。
怒らないでくださいね。
BBはね…「ブンブン」の略です…。
「なめとんのかい!」
とモニターにこぶしを振り上げたそこのアナタ。
だから怒らないでくださいって。
ブンブンとは灘に実在する人物の愛称で、彼が建てたから
ブンブンプラザ=BBプラザ
なのです。
「誰やっ!そんなふざけた名前のやつはっ!(ゼェゼェ)」
まあまあ冷静に。
かつて中村美津子が紅白で歌った「S田のブンブン」という名(迷)曲。
「今日は新地か三ノ宮〜 誰が言ったかS田のブンブン ずいぶんいい
気分〜」(注1)
そう、自分の歌を作らせ、あろうことに紅白歌合戦で披露してしまった
灘区が誇るラストエンペラー、ブンブンことS田B6氏なのです。
「時計の針が クルリとまわりゃ 遊びごごろが 疼きだす」と歌われ
たBB氏のエンペラー振りはもはや伝説化しています。
「祇園に馬で行く事件」(注2)
「○○○○○○を○○○で○○○事件」
あまり書くと私自身抹殺される可能性がありますので、この辺にしてお
きますが、その豪快な遊びっぷりは現在灘で失われつつある「ダンナ魂」
の継承者でもあります。
彼の遊びのルーツは「岩屋」という街にあったと思われます。
岩屋には有名な花隈と同様の花柳界があり「岩屋検番」がありました。(注3)
敏馬神社の横の縦筋は「花街大通り」と呼ばれ、多くの店が並び
「昼間から三味線が流れてナ、勉強でけへんかった」
ほどのダンナ衆が闊歩する華やかな街。「B5屋」という自分の名前を
つけた店まであった父B5氏の魂を受け継いだBB氏はこの街のダンナエキ
スを浴びすくすくと育ちます。
しかし街は戦争で破壊され、重工業地帯として生まれ変わった岩屋には
もう三味線の音が流れる事はありませんでした。国道にはトラックがあ
ふれ、「灘の百煙突」といわれた煙突からの煙。煙。煙。
「果たして岩屋はこれでいいのか?」
やがて「古き良き岩屋」の記憶を胸いっぱい吸い込んで育った彼は、
重工業の街、岩屋になんと高級フランス料理店を開店させます。
内装設計は先日亡くなった日本を代表する建築家、丹下健三氏。
神戸に縁があり、もう一人の「違いが分かる」品のいいスター建築家
清家清(注4)でなく、タンゲ。
あの「世界のタンゲ」に内装を依頼するダンナ振り。
やがて2度目の破壊が訪れます。
阪神淡路大震災。
ビルは取り壊されてもBB氏のダンナ魂は健在でした。
そして平成16年「神戸岩屋、大人の上質街区」としてツルツルピカピ
カ「BBプラザ」が完成します。
もちろん高級フレンチ「オーベックファン」も見事復活です。
しかもそれだけでは終わらないのがBB。
かつての花街、花隈をルーツに持つ高級日本料理「神戸吉兆」をテナン
トに迎えます。岩屋に吉兆。どうよ?
でも岩屋のDNA「花街」というキーワードをそっと添えるあたり、
さすがです。
あと何故か「バラ専門店」。バラ専門ですぜ。花言葉は情熱的な恋。
花街チックです。
プラザ内のデザインにもこだわりがあります。
京都の祇園などの街角でよく目にする「犬矢来」。
本来建物の外壁を泥等の汚れから守るための美しい建築部材です。
それを、あーた、ビルの中に再現しているのです。
灘、東灘の山の手お屋敷街の原風景でもある御影石積。
マンション建設のため、どんどん消失しつつある灘山手の風景です。
それを、あーた、ビルの中に再現しているのです。
まさにラーメン博物館ならぬ、ダンナのテーマパーク、ダンナ博物館
(ダン博)といっても過言ではありません。
「でも吉兆やオーベックファンやバラは岩屋のダンナDNAだっていう
のはわかるけどォ〜…気軽にっていうわけにはいかないのよネ〜」
と思われたそこのアナタ。
ご安心下さい。
手軽な岩屋のDNAがあります。
その名もブンブンカレー。650円也。
すいません。前置きがすっかり長くなってしまいました。
「一杯の味を紹介するためになんでここまで字数を使うんだよっ!」
すいません。ごもっともです。
しかし、ここまで書かなければあのカレーの深みを表現する事はでき
ないのですよ。
いよいよ本題です。
美味しんぼとしての顔も持つBB氏プロデュースの採算度外視ダンナ系
カレーとして、旧島文ビルのカレーハウス「サンテ」で供されていた
幻のカレー。下手したらハウス食品あたりが「カレーのダンナ様」と
して商品化しそうなカレー。それがブンブンカレーでした。
震災でもう食べられなくなるかと思われたあのカレーが、この度のBB
プラザ新装オープンに合わせ復活されたのです。
3階にある「アランカスケビッチのケーキ」が食べられる御影マダミッ
クなカフェスペース「アッシュドカフェ」。
ここの何の変哲もない「ビーフカレー」というメニュー。
単なるカフェのランチメニューに見えるこのカレー。
注文した時、そっと店員さんに聞いてみてください。
「これって…あの…ブンブンカレー…ですよね…?」
「…よくご存じですね…少しマイルドになりましたがブンブンカレー
の流れを汲んでいます」
微笑みとともに、きっとこんな答えが返ってくるはずです。
岩屋の白砂青松の砂浜を表現した真っ白なご飯。
そこに打ち寄せる静かな波が、煮込まれたルーで表現されています。
一口食べてみます。
岩屋で繰り広げられた幾多の恋物語を表現したかのような、爽やかであ
りつつ個性的な酸味と甘さが口一杯に広がります。
そしてさざなみのようにくり返し寄せる刺激的な辛味。
福神漬のビビットな赤は岩屋検番の芸者達の紅の色。
あの当時を知らない人でも、きっと頭の中に三味の音色が響くはず。
いや、むしろ当時を知らない人や灘区ビギナーの皆さんにこそ食べて
いただきたい灘の味。
復活したネオブンブンカレー。
正に「舌で味わう岩屋のチントンシャンDNA」なのです。
(おしまい)
BBプラザ「アッシュドカフェ」
阪神岩屋駅南へ徒歩3分
http://www.bbplaza.com/
+++++++++++++++++++++さらにnaddisticな注++++++++++++++++++++++++
注1 S田のブンブン
平成5年 第44回紅白歌合戦
作詞:田口洋
作曲:山田一平
唄:中村美津子
注2 祇園に馬で行く事件
ちなみに氏は神戸高校馬術部OBである。
注3 花隈と同様の花柳界
岩屋の街を歩くと、マンション前などで妙に大きい手水鉢が目に付く。
花街時代の遺構かもしれない。
ちなみにnaddistでも紹介した「敏馬小唄」は、この岩屋界隈を歌った
唄である。
※[naddist 020920-136]夢の敏馬でチントンシャン【ナダソニック11】
参照
注4 清家清
建築家
青年時代を神戸で過ごす。タンゲとは違う日本を代表するモダニスト。
深田池の北にある「小原流家元会館」などヒガシナダ区に作品多し。
3月22日にこの世を去った丹下健三の後を追うように今年4月8日没。
================================================================
naddistに頂いた、皆さんからのご意見ご感想や灘情報をご紹介する
「なだっちゅーの!」を、お送りいたします。
メールを下さった皆様、ありがとうございました。
→投稿はpostmaster@naddist.jpまで
=============================================なだっちゅーの!165
●岡ちゃん様
http://plaza.rakuten.co.jp/udonnaya/
水道筋の屋台のすし屋情報です。
箱寿司だけではなく普通のにぎり寿司もあったと思うという話をききま
した。「なると」というすし屋ではないかということです。
場所は今の住谷歯科医院のあるところです。
未確認情報ですが三宮に移転して営業されているらしいとのことです。
前号でご紹介した「水道筋の寿司屋台」情報いただきました。
ありがとうございます。
屋台でにぎり寿司、粋すぎます
今では保健所の関係で無理なのでしょうかね?
引き続き「なると」情報お待ちしております。
--------------------------------------------------------nad
●飛田様
大きな鯉を発見しました。
場所は、双葉学園の横のダム
80センチ?の黒
50センチ?の金色
50センチ?の黒
川を越えて御影の方に行こうとして道に迷い、
そのダムの対岸で発見しました。
おお、鶴甲方面ネタありがとうございます。
このような灘生物情報もお待ちしております。
--------------------------------------------------------nad
●こはく様(お仕事クミン)
先日、大阪で開催中の竹中大工道具館の20周年記念巡回展「木の匠と
鉄の匠」に行ったんですが、「鉄の匠 西の名工」としてあげられて
いる「二代宮野鉄之助さん(本名:遠藤政一郎/三木出身)」の略歴
をみていたら、何と灘区篠原中町で目立業を、その後、友田町で鋸及
日本刀鍛造をしておられたと書いてありました。
昭和8年頃から自宅兼工場が空襲にあう20年頃まで灘でノコギリづくり
をしていたようです。鍛冶の才能にあふれた人で、たたら製鉄法とい
う手法で玉鋼をつくって、それでノコギリを鍛える伝統技を守ったよ
うです。
平成8年に96歳で逝去されていますが、戦後、疎開先の三木市に転居し
ていなければ、今でも灘に老舗鍛冶業が残っていたかもしれません。
何となく「灘の名工」を逃した感のある、展示会での発見でした。
灘職人情報をいただきました。
今の大内通、岸地通あたりは昔「鍛冶屋」という村と呼ばれ鍛冶
職人が多く住んでいたそうです。村内には太田川という川が流れ
(貧乏川と呼ぶ人もいる)
その川沿いに野鍛冶場があったそうですよ。
しかし「鉄之助」ってかっこいい名前だよなあ。
--------------------------------------------------------nad
●アート喫茶オリーブ様
お蔭様で改装工事も無事終わり新装開店できるようになりました。
今年は私も還暦を迎える年にあたり心新たにスタートしたいと思って
おります。
カルチャー教室、歌声喫茶に加えギャラリーとして作品発表の場に
ご利用いただけます。
又会食などのご予約も承っております。
ご来店戴いた方の五感を満足していただけますよう努力いたす所存です。
今後共どうぞよろしくお願い申しあげます。
4月23日(土)午後7時ー9時 歌声喫茶
司会・ 上山克彦 アコーディオン・ 望月一郎
4月25日(月)午後2時30分ー4時30分 歌声喫茶
アコーディオン・望月一郎
アート喫茶オリーブ
篠原南町3丁目(将軍通の阪急踏切東入ル
阪急六甲より線路浜側 西へ徒歩6分)
定休日・・・・4月2日(土)3日(日) 7日(木)21日(木)
営業時間・・・午前10時ー6時(予約戴いた日は夜も営業します)
TEL,FAX・・・・078-861-7012
昨年配信しましたnaddist186号で
ナダソニック13〜篠原南町 伝説の「うたごえ」
として紹介させていただきました、アート喫茶オリーブさんから
「うたごえ情報」をいただきました。
驚愕のライブ空間、またおじゃまさせていただきます。
--------------------------------------------------------nad
●たろへー様(きのう・きょう・あすもクミン)
水道筋温泉の産湯を使い、市電石屋川線の電車の音と、
東灘貨物駅の貨車の連結器のドカチャチャチャチャチャチャチャドカー
ン!を子守唄に、生まれも育ちもチャキチャキの生粋の灘っコです。
たまたまこのメルマガを見つけたのですが、
すでに遅きに失していたか!!!
何故かというと、かような素晴らしきものを今まで6年以上もみすみ
す見過ごしていたとは!ということなのです。
バックナンバーもとてもじゃないですが、これだけの量、いっぺんに
読めません!
もう、一つ一つにいっぱいツッコミできます。
「天城ビンボー洞門」など爆笑です。
身長の高い人など本当にヤバイと思います。
車両建築限界(専門用語)と干渉しないのか調べてみたいです。
「ガリバートンネル」「プロパガンダ戦闘機」などもネタ有り!
(へえ〜!と言わせる自信有り)です。
気になるタイトルのものだけつまみ食いしてもこの状態です。
色々なイベントがあったのですね!!!今なら絶対参加していただろ
うというようなイベントの数々・・・・嗚呼。
というわけで、さくらバスにも乗りましたが、naddistさんのガイド
の便ではなかったようです。
区内の市バスネタもうるさいですよ。まあいずれまた薀蓄を披露しま
しょう。
このメルマガが私に見つかったことを後悔しないでください。
私が入ってきたことでこのメルマガが吉とでるか凶とでるか、私は
責任が持てません。
さらにマニアック色が強くなっていく恐れが十分にあります。
もっぱら私の徳井、いや得意分野は懐古系、交通、街の風情、といっ
たところかな。
私のテリトリーは水道筋、稗田小〜上野中校区が中心ですが、もちろ
ん広く灘区が大好きです。
以後、お見知りおきのほど。
と、まあこんな感じですが、よろしくお願いします。\(*^∇^*)/
こ、こちらこそよろしくお願いいたします…
テキドなマニア情報お待ちしております(笑)
どうぞお手柔らかに。
「灘さくらバス」如何でしたか?
灘の桜の具合もバッチリ!とても楽しい企画だったと思います。
それと、車窓案内ですが、原稿だけ託して水道筋さんにまかせま
した。
他に乗られた方がありましたら感想どしどしお寄せください!
--------------------------------------------------------nad
naddistは「等幅フォント」でご覧ください。
----------------------------------------------------------------
ソーシャルネットワーキングサイトmixiの灘系コミュもよろしくね!
「水道筋倶楽部」http://mixi.jp/view_community.pl?id=26634
「灘区っ!!!」http://mixi.jp/view_community.pl?id=28599
================================================================
naddist発行の「オーベックファンのスタインウェイ」は皆様からの
メールです。
お気軽に「町話」「感想」お寄せ下さい。
naddistへ、ご意見ご感想、情報メールをお送り頂く時は、
・「なだっちゅーの」(読者お便りコーナー)への転載の可否
・転載の条件(匿名希望、ハンドル名等、URL載せる事も可能です)
・現在住んでいる所(もしよろしければ)
・灘区との関わり(適当につけて下さい)
(例)元クミン:元灘区在住
現クミン:現灘区在住
(クミン=区民ではないので、他地区の方大歓迎)
等を明記して頂ければ幸いです。
----------------------------------------------------------------
さくらバスの車窓案内は水道筋300円ショップの大将。
----------------------------------------------------------------
ご意見ご感想は postmaster@naddist.jp までお願いします。
----------------------------------------------------------------
naddist [Kapsel naddism] 0000009510
produced by "naddism Edit."(@parabolart)
e-mail "postmaster@naddist.jp"
----------------------------------------------------------------
powered by "magmag" www.mag2.com
ページ移動 | |
[050405-203]灘さくらバス出発進行! |