| 神戸甘辛カレー「シシリアンライス」 naddist 洋食系 2012-2-19 11:47 友人に知らせる 6815 0 0.00 (投票数 0)投票する
●場所 篠原南町7(水道筋骨董通り沿い、ティダチチサロン日曜枠) ●本日の昼食 シシリアンライス 750円 ●コメント どうもB級グルメってのが好きになれない。大体自らB級と下卑ているのが気に入らないし、そのくせ金の匂いがプンプンする腹黒さも辟易するし、まちづくりだの地域活性化だの声高に謳うあざとさにも虫酸が走る。B級グルメフェアでは長蛇の列。つくるアホウに買うアホウ、あーやだやだなんてことを愚痴っていたら某飲食店のマスターKRR氏から「諸先輩方の知恵と汗の結晶をそんな風にいっちゃいけないよ」と諭された。もちろん最近多いご当地食材をテキトーに使った「無理やりご当地系」や、そばめしのような「偶然できちゃった系」ではなく、古くからの「洋食独創系」にはクリエイティブなものも多いという。今年三宮市場から水道筋骨董通りのテイダチチサロンに移転して毎週日曜日だけオープンする[神戸甘辛カレー]に「シシリアンライス」という不思議な名前の新メニューが増えた。佐賀のご当地料理らしい。なんで神戸で佐賀かはこの際置いといて、そういえばこの店の前身の傾いた喫茶店時代にも数々の不思議な洋食メニューがあった。確か高校の頃「トルコライス」なるものを食べた記憶がある。最近では「フランス風ハンバーグ」などという混沌としたネーミングのメニューも。で、今回はシシリアンライス。生野菜がどっさり入った牛丼風情、いや焼肉ピビンバ?和風タコライスか?(タコライスに和風をつけるのもおかしな話だが)などと考えながら、ご飯と野菜と肉をザクザク混ぜて食べる。甘辛い肉と野菜、そしてマヨネーズの酸味、サッパリとコッテリのハーモニー。どのへんがシシリアなのかさっぱりわからないが、そこはかとなく漂うB級感のなかに考案者の知恵と汗が感じられる。「本場は焼肉のタレを使うけど、くどいからウチでは醤油と砂糖だけで仕上げる」とマスター。思わず「マヨネーズをケンコーマヨネーズにして灘区名物にしましょう!」と言いそうになった。なんてあざといんだ、オレは。 |
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| 寿し豊「上巻き寿司」 naddist 和食系 2012-2-8 22:37 友人に知らせる 8212 3 10.00 (投票数 2)投票する
寿し豊「上巻き寿司」 ●場所 灘区倉石通1(畑原東市場) ●本日の昼食 上巻き 500円 ●コメント 最近水道筋の寿司店が減り続けていて、去年までは「恵方巻き、どこで買おうか」なんて悩んでいたけど、今年は買える店がまた減った。節分の前日「鬼が出る市場」として有名になった東畑原市場にいったついでに「寿し豊」の上巻きを予約した。今年の恵方は北北西だそうだ。灘区的に言うと、都賀川以西、つまり西灘村あたりだとちょうど摩耶山が恵方に当たる。なんかうれしい。摩耶ケーブル、ロープウェー存続問題で揺れ、イベントをすれば雨ばかりと最近パッとしなかった摩耶山だけど、今年はきっとイイことがあるに違いない。ということで今年の節分の恵方巻きは摩耶山に向かってかぶりつくのが正解。といっても「摩耶山てどこ?」と言う人も多いと思う。言うまでもないがてっぺんにサンテレビの白いTV塔が立っている山が摩耶山である。お年寄りにはあのTV塔が大きな観音様に見えるという人もいる。確かに胸の辺りで手を合わせたスマートな観音様に見えないこともない。そういえば、江戸時代、瀬戸内海を日本各地の物産を積んだ船が行き交っていた頃、摩耶山の前を航行する船は、山上の観音様に敬意を払い、すべて帆を下げたという「帆下げ観音」の逸話も残っている。いっそサンテレビのTV塔も「観音型テレビ塔」にしてしまえばいいと思う。阪神が勝った日は目が青く光ったりしてもいいなあ…などと考えながら、しっかりと仕事がなされた丁寧な「寿し豊」の上巻きにかぶりつく。今年は摩耶山、いやその麓の灘区にとっていい年になるに違いない。 |
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| Nim.cafe「サンドランチ」 naddist 洋食系 2012-1-21 19:09 友人に知らせる 6987 0 8.00 (投票数 1)投票する
●場所 中原通6(阪急王子公園駅北東) ●本日の昼食 サンドランチ ・自家製ローストポークとアボカドのサンド・スープ・プチデザート・ホットコーヒー 850円 ●コメント 福住通や中原通を歩いていると髪をアップにして、背筋がシャンと伸びた、凛とした佇まいの子どもたちに出会う。彼女たちは灘が誇るバレエ団「貞松・浜田バレエ団」の若きバレリーナだ。 畑原通の路地奥から、下河原通の「鈴木薄荷」のミントのような爽やかな空気が街に流れ出す。やがてその清涼感は摩耶山から吹く風に乗って天神筋を下っていく。 王子公園駅の北、貞松・浜田バレエ団のスタジオの下にカフェができた。王子公園周辺では珍しいボサノバが似合うマザームーン的な店に、西灘的なオッサンが入るのには若干の躊躇があったが、意を決して入店。若年、中年、熟年、子連れなど様々な層が入り乱れるあたり、灘中の手の気水域感らしい店内風景が展開されていた。パスタにもそそられたがビールを飲りたかったので、アテになりそうなサンドランチを注文する。大きな開口部から外が見える。通りから丸見えでなく植栽が緩やかなブラインドになっているのがうれしい。今日のサンドは自家製ローストポークとアボカドのサンドイッチで、カフェメニューと言っても結構なボリューム。厚めに切ったジューシーなポークがビールに合う。つまりオッサンの昼ビール使いもできるということだ。 店内に流れるまったりとした空気、灘マダムたちの少々かしましいおしゃべり、上階のバレエスタジオの凛とした気配にしばし身を委ねる。 でも「アンドゥトロワ 今がそのとき ためらわないで〜」と歌いそうになったのは秘密なのだ。
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| お好み焼きたっちゃん「豚玉」 naddist その他系 2011-12-26 10:26 友人に知らせる 5596 2 8.75 (投票数 4)投票する
お好み焼きたっちゃん「豚玉」 ●場所 将軍通3(将軍通・洋服のAOKI北) ●本日の昼食 豚玉 500円 ●コメント 「灘区は住みやすいし、エエ町やと思うけど、お好み焼きが…」と嘆く長田区出身の灘クミン氏に「いっぺん行ってみて」と、あるお好み焼店をすすめられた。灘クミン氏によると美味いお好み焼屋はたたずまいで判るという。将軍通の交差点にほど近い[たっちゃん]は、確かにそのスジの人でないと見過ごすような何気ないたたずまいだった。「いらっしゃい」店に入ると仲の良さそうなご夫婦がにこやかに出迎えてくれる。とりあえず基本の豚玉と、焼き上がるまでにつまむ牡蠣のバタ焼き、そして瓶ビールを注文する。夫婦漫才の松鶴家千代若・千代菊を彷彿とさせる微笑ましいやりとりを眺めながら店の話などを聞く。老舗と思いきや、開店して14年だと言う。元々兵庫区出身で灘区に嫁いだ女将さんが震災後に「いつかは自分の店を」という夢を叶えた。始めるにあたり篠原本町にあったお好み焼店[恵比須]の師匠の元で研鑽を重ね、満を持して店舗付きの自宅を再建した。長田の人が絶賛していましたよと伝えると「師匠の師匠は長田の人やったはず」だと教えてくれた。ゆるめの生地をふんわりと焼き上げた豚玉にどろソースをかけていただく。なるほど、粉モンの街出身の灘クミン氏がすすめるだけのことはある。「今日は萩原珈琲ちがうんやけど」と食後にサービスでコーヒーを出してくれた。長田風のお好み焼きを食べた後に灘の萩原珈琲が飲めるという灘区らしいチャンプルー感がうれしい。おしゃべり好きの女将さんの話を聞きながら、中の手らしいゆったりとした時間が流れる。「今度そば焼き食べみてね」店をでると将軍通の先に見える長峰山が、高取山に見えた。 |
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| 帰ってきた傾いた喫茶店「紅玉と野菜の無水カレー2011ver.」 naddist 洋食系 2011-12-19 9:53 友人に知らせる 7624 2 9.00 (投票数 2)投票する
●場所 篠原南町7(旧西灘シネマ北 水道筋骨董通りティダチチダロンで2011年12月18日のみ営業) ●本日の昼食 紅玉と野菜の無水カレー2011ver. 800円 ●コメント 今年の10月、三宮市場の甘辛カレー[きてたもんせ]がひっそりと閉店した。ナダタマ読者ならもちろんご存知かと思うが、[きてたもんせ]は永手町の「傾いた喫茶店」ことレードル(ミニ)のマスターがカレー専門店として2010年に開店した店で「甘辛カレー」と名付けられた独特のカレーにはコアなファンも多かった。そうか、今年は晩秋から初冬にかけて仕込まれる季節限定の紅玉無水カレー「アレ」が食べられないのか、残念無念…と落胆していた12月のある日、マスターから電話があった。「やっとナニが手に入ったんで今年もアレ作るんだけどまた水道筋でナニできるかな」「え!アレが食べられるんですか!是非ナニしてください!」ということで話がまとまり、水道筋骨董通りのティダチチサロンで1日だけのカレースタンドが開店することになった。灘では2年振りのアレ。正直アレは三宮市場の地下で食べるよりも、冷たい六甲おろしの吹く灘区で食べるのがふさわしい。ネットで希望者を募ったところ15人のアレ希望者が集まった。いよいよ当日、骨董通りに食欲をそそるスパイシーなカレーの香りが漂う。カウンターにはアレを心待ちにしていた人が次々と。野菜と紅玉の水分だけで7時間じっくり煮込んでジャム状になったルーは、牛肉が入ってより濃厚さが増していた。「今年は酸味が控えめ」「辛口だけど去年より穏やか」「華やかさよりフルボディ感が増している」「紅玉のできに左右されるのかも」などワインの試飲会のような感想が次々と。昔ながらの重いカレーなのだが、最近主流のサラッと軽いカレーにはない深さがある。ともかくこれでやっと冬を迎えることができる。ポカポカになった胃袋をさすりながら店をでたのであった。 |
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